第二話 「メアリーの勇気」

「メアリー」

朝になり、リボがめずしく揺すり起こす。

いつもは兄のナイトメアが自主的に起こすのに。

「リボさん……?」

リボの声は無だ。

メアリーは寝袋から出て身なりを整える。

「キッザーとナイトメアを知らないか?」

リボが言っていることが、ようやく理解ができた。

眠気で眠っている頭を振り払い、活性化させる。

2人が寝ていたはずの寝袋を見た。空っぽだ。ナイトメアがまずメアリーに黙って1人にする行動事態がおかしい。

一度もこんなことないが、兄の迷子ぐらいなものだ。

そしてもう1つの異変を目のあたりにする。あの濃く4日間歩くのに苦労させられたあの霧が一切なく、綺麗なほど晴れていた。

これは絶対兄とキッザーの失踪したことと関係があるはずだと考えはついた。

「知らない……!」

メアリーは恐怖と不安が心を支配する苦しさに耐え忍んでいる。

「そうか。敵や見知らぬものがセンサー内に入ればすぐ行動できるようにはしてはあったんだが。そのセンサーに反応はなかった。つまりあの2人は自主的にこの洞窟を何ならかの理由で出たことになる」

メアリーは軽く放心状態だ。一度も身体が動きを見せない。

「大丈夫か? メアリー。双眼鏡機能で遠くで見たが、2人は姿はなかった。あの霧と同時に消えたことは確かだ。霧はあの2人と関係はあるに違いない」

メアリーは動こうとしない。兄が消えた。こんなことでかなりの動揺している。兄は私を決して一人にしなかった。その兄が消えた。その意味が理解できない。口から酸素を二酸化炭素にかんかたんそを吐きたいのにどうしても吐けない。

「メアリー、いくか?」

メアリーはようやく首をゆっくり回してリボの目をしっかり捉える。

「はい、いけるならいかせてください。待っていることはしたくない」

メアリーの声は恐れと恐怖で入り混じっている。

「どうして?」

リボはメアリーの様子をうかがっていた。兄がこの状況を見たら兄は私をかばってくれている。

だが、その兄は今危険にさらわれている。これが待っていることをこばんだのはいつも兄は私を待たせていた。迷子になったときも、戦闘しに行くとき、私の話すを聞いてもらうためにも必死に。

私は、小さい。力だって半端だだが。

「私は力ではリボさんにも兄ぃにも劣ります。でも、兄ぃを助けた気持ちはリボさんより遥かに上回っているわ」

「……」

リボはそれを聞いて黙っている。

メアリーの意志は固い。

「血の繋がりとはすごいな」

リボは関心するように立ち上がる。

「双眼鏡機能で見つけた朽ち果てた民家をみつけた。今からそこへ向かう」

「兄ぃを探さないの?!」

メアリーにはナイトメアのことばかりだ。あれだけリボを恐れていたのに敬語やいい態度でさえ、なくなってしまう。

「ナイトメアがいるとあれだけ威張っているところがあるが、いなくなるとこれか」

リボはくすくすとメアリーの変わりように対し笑った。

「ナイトメアが誰に連れて行かれたかのさえ、どうゆう手段で兄を誘導したのかさえわからぬのに行動はまだ早いんじゃないか? 冷静のときのほうが頭の回転が速いぞ」

メアリーはそれを指摘されて自分でも驚きながら萎縮いしゅくした。

「まぁ、いい。ナイトメアとキッザーの荷物とその他の荷物を奥へ隠そう。それから必要なものを準備してから民家に行くぞ」

「わかりました」

メアリーは兄ぃがいないだけで自分自身が前へと進もうとするのはこれだけ兄ぃを大切だと認識できた。

「すまないが、急ぐんだ早く準備してくれ」

リボは厳しくメアリーを急かす。立ち尽くしていたメアリーは慌てて準備に取り掛かる。ナイトメアの荷物の重すぎるキッザーの荷物を怪我した腕をかばいながら必死に洞窟どうくつの奥まで運び終わった。

メアリーは水筒や非常食、救急箱をリュックサックに大事にひとつずつ中に入れた。

リボも荷物の整理を行っていた。リボが用意した武器はロケットランチャーやピストル、マシンガン、ライフルなど背中にひとつずつ背負った。弾も連なっている色んな種類のある弾を軽々と背中に斜めがけをする。

「急ぐから背中に乗れ」

「え」

メアリーはそれを聞いて言葉を濁す。

メアリーはキッザーからリボの背中に乗ったときの感想を聞いていた。かなりのスピードで走ると聞いていてメアリーはおびえた。

「乗らないのか?」

リボの声には配慮はない。だが、それでもメアリにーの身体は不安が支配するのだ。

「私は…」

メアリーの声音にリボのセンサー機能で読み取られるほどにまで達していた。

「早くナイトメアの救出をしたいのではないのか?」

「ひゃぅぅ……」

メアリーは自分の身かナイトメアを天平にかけてきた。もしろんそんな条件をつけられてしまえばメアリーはリボの背中に乗るしかなくなる。

メアリーは小さな身体でリボの背中によじ登り、身を任せた。

「行くぞ」

「こわひぃぃぃ・・・!」

いきなりの高スピード。言葉の最後を置いてってしまうほど。いきなりの速さにメアリーは戸惑いと痛みしかない。

いきなりのスピードに両目を閉められなくなるほどだ。風がメアリーの目を刺激する。

一生懸命に目を閉じようとしたが、スピードと風でうまいこと閉じやしない。

これでは悲鳴を上げたくても口さえも開けられない。メアリーは全身全霊でリボにしがみつくくらいしかできなかった。

「着いたぞ」

リボはメアリーを次第にスピードを落として止まった後に下ろしてもらった。

「ほんとに誰もいない」

メアリーは下ろしてもらって廃村はいそんした村を見渡す。

寂しくもありのままの家々が立ち並ぶ姿を眺めた。

「さぁ、何かあるかもしない。小さなことでもいい。探せ」

メアリーはリボが怖いと思うのはその冷静さや表情が表に出さないのはあまりにも人間の感情の一部を持っているはずなのに出ていないことに怖さをおぼえてしまうのかもしれない。

嫌いではなく、むしろ好きな部分だってある。

メアリーの義姉であるエリナが死んでナイトメアは引きずっていることであろう。私でさえ引きずる。

リボは確かに一晩泊まった。それだけに過ぎはしない。客で店側。それだけの関係。

だけど、私達が墓を作る最中にリボは次のことを素早く決め、行動に移し、ここまできた。

まさかこんな形でリボとダッグを組んで早速困難に立ち向かうとは思ってもなかった。

(キッザーさん達はどこにいるんだろう)

メアリーは立ち尽くした。








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