第二章 傲慢
プロログ 「新たなる物」
ここはグリフォンセントラルシティーの宮殿にある脱衣所である。
女王は王様を腹話術人形にして操った挙句にまた、死体として仕上げた事で血だらけになってしまった。
そのために人間に悟られたりなどを避けるために人間の真似事をする。汚れや生臭さや鉄の匂いを取り除くように湯につかり、体を洗う事にした。
もちろん、証拠は部屋を後にしていたルーマスが完璧に隠蔽しているはずだ。
廊下を歩けば、血だらけのひどい有様なため異変に気づかれてしまうため、誰もいないことを確認してから脱衣所まで天井を這ってきた。
女王は服を脱ぎ、お風呂場へ入っていく。
「なぜ人間に気を配らなければならないのかしら。感づいたものは片っ端から
女王は物騒な事を口を窄めながら言った。
「だめよ。無駄な殺人は控えなきゃ。あなたが気をつければ無駄な事はしなくていいのよ。我慢しなくちゃ」
もう1つの人格の白いエリナはまるで黒いエリナの姉であるかのような口ぶりで言った。
白いエリナとはエリナの裏の人格で泣き虫で弱々しく、優しいのだが、黒いエリナはサディストで行動力があり、機体の主導権を握っている。
たまに,黒いエリナが行き過ぎた行動や言動にでた場合に制御役として指示を出していた。
「それにしてもどうして私達が二重人格だっておねぇさまはお分かりになられたのかしら」
エリナはリボの妹で、つい最近のことだが、約2世紀ぶりに再開を果たした。
その時に戦って優位にたっていたはずなのにリボは妹が二重人格だと見抜かれてしまったのだ。
「格が違ったのよ。あのとき私達がありったけ人形の兵士を用意したのに半分も削られたし。数で今回は押したけど次はそんな事がうまくいくかさえも分からないじゃない。それに約2世紀も始動しなかったはずなのに機体自体には衰えていなかった」
しおしおと姉の恐ろしさを痛感し、声が裏返る。
「確かに衰えてはいなかった。でも、おねぇさまとちがって私達には信頼できる相手にお金や、力、権力。すべてをもっているのだから」
黒いエリナは自分に酔いしれている。
「にしてもなぜか子供と一緒だったよね」
白いエリナは不思議そうに聞いた。
「それに何故こんなタイミングで目覚めたのかさえも何故目覚める事ができたのかさえわからない。何か目的があるとしか考えられない。製作者に会うため? 人間の寿命では生きているはずが、死んだくらい馬鹿ではないから知っているはず。じゃあなんのため? おねぇさまといたガキが絡んでいるのかしら?」
黒いエリナはお風呂から上がり、体を洗い終えると風呂場から出て、脱衣所で服を
「とりあえず情報が無さ過ぎるのよ。調べたほうがよさそうね」
「そうだね」
黒いエリナの提案に賛同した白いエリナはそこで意識を閉ざす。
脱衣所から出ると廊下は使用人達が青ざめて騒がしくしていた。
「何があったの?」
エリナの側に通りかかった使用人に話しかけた。
「女王様。落ち着いて聞いてください。王様が今亡くなられたのです」
使用人はショックのあまりに金魚のように口をパクパクと開けて呆然としている。
(きたわね)
エリナはこの時を待っていたかのように驚き、両目を開けて膝ま着いた。
両手を顔を包んで。
「女王様!」
使用人は膝まついた女王を起こそうとしたが、エリナは跳ね除けて王様の部屋へと急ぐ。
部屋を大げさに開けて息を荒げ、王のベットに寄った。
「女王様見てはなりません!」
メイドが場所を移そうとしたが、動かない。
「リヒトぉぉぉぉ!!」
顔は崩れ、嘆いた。その声はあまりにも
心の中は大いに笑っている事も気がつきもせずに。
(人間はなんて愚かなものなんでしょう……。この行動が元女王のまんまコピーだってことも気がつきもしない)
エリナは人間らしい感情や表情、行動が出来るように以前にリヒト王の元妻であるユーピアが息子である王子が暗殺されてしまい、その
医者はエリナが罹りつけの闇医師を呼んでいた。
闇医師はエリナから莫大な金を前もってもらっていたためすぐに指定された死亡時刻も誤魔化した。その後闇医師はルーマスによって殺害された。
勿論エリナを疑ったものがいたが、死後の時間帯にはエリナが風呂場にいて、使用人に話を聞くまで風呂場から動いてなかったと使用人が証言したため反発者が出なかった。
その後、葬式を開き、国の大臣やお偉い方々が集まり、使用人に囲まれながら
使用人達はエリナの悲痛な表情に同情した。
誰もが亡き王の妻であるユーピアコピーだとは気づきもしなかった。
ただエリナと亡き妻のユーピアの行動を完全に再現は出来ずにいた。たった1つ人間が悲しい時に流す涙は嫉妬の石を持つエリナには愛情や苦しみでは涙を流す芸当は出来なかった。
人間は涙については何も思わず、この国の新たらなる
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