第四話 「食事の後に」
三人と一機はそれぞれ部屋を出るとお互いの変わりように驚きを隠せない。あくまでリボは冷静だが、目を丸くしていることはわかるほど。
ナイトメアは
メアリーは淡い黄色のふんわりとした愛らしいドレスは短めで、ドレスとはちがう濃い黄色のパンクスを履いていた。火傷した所は包帯をしていたものの、それよりドレスの愛らしさが目立つ。編みこみとリボンの形を
リボは髪型と目の色とあわせた情熱的な赤いドレスだ。フリルが目立ち、シルバーのヒールがドレスの
髪型はアップでふんわりと固めた髪形には飾り付けで赤いバラが飾られていて、ラメを腕と同様に振りつけている。メイクはやんわり濃いく、赤い口紅が女性らしさを出していた。
「メアリー、可愛いぞ」
ナイトメアは妹のメアリーをみて、細く微笑みながら言った。
「お兄ちゃぁこそ、男前だよ」
火傷したことで発音がうまく発せないメアリーだが、可憐な甘い香水がナイトメアの鼻を
「ナイトメアはオールバックを崩しただろう」
キッザーがナイトメアの髪型を
「堅苦しいのは苦手なんだ」
ナイトメアはそういうとリボの元へと歩く。
「人形の
ナイトメアは皮肉交じりに悪戯っぽく笑って言った。
「それはありがたいことだ」
リボは鼻で笑ってみせる。
「リボは男っぽい服より女の子の服がお似合いに決まってるだろう!」
キッザーが言いながらナイトメアの傍に寄るとメアリーも優しい笑みをして傍へ来た。
「こんな格好は初めて。なんか本当にお姫様みたい」
「メアリーはそのままで十分だぞ」
ナイトメアが言うとダニエルが
そのおかげで話をやめるきっかけができた。
「喜んでもらえて何よりです。リボ様は食事をなされることはできないため先にダンスホールへ案内させていただきます。あとの方々はテーブルへと案内させていただきます。リボ様はその場で待機なさっていて下さい」
リボは腕を組んでその場で待機することを従う。三人はダニエルが開けてくれたドアをくぐった。
そこには豪華で食べたこともないようなものばかりの食べ物がいくつも並んでいた。
リボはそのあとダンスホールへと案内されて行った。
「メアリー、大丈夫だ。何も入ってなさそうだ」
ナイトメアはスープを飲み、メアリーのために毒見をしたことを告げるとキッザーもメアリーも恐る恐る食べ物を口にした。
スープや食べ物はとても温かく今までの旅をしてきた三人の身体に癒しを与えた。
食べたこともない料理も最後のデザートも全てがおいしかった。
たらふくに食べたので幸せを感じる。
「一腹の飲み物でございます」
ダニエルはカクテルのような鮮やかな色をした甘い飲み物を用意して三人にそれぞれ出していった。
「そうだ。私、ダンスなんか踊れない!」
メアリーは緊張で身体と表情がガチガチだ。
「僕は独特だけどお父さんから教えてもらっているからよかったら習ってみる?」
キッザーはいっぱいにお腹をさすりながら笑顔で言った。
「どうせ、ナイトメアも踊れないでしょ? 教えてあげるよ」
「踊れる」
「「え?!」」
キッザーとメアリーは驚く。ナイトメアは歳のわりに迷子にもなる。キッザーはナイトメアが不器用と思っていたのだ。実際にメアリーも驚きを隠しきれず、声を発してしまう。
「なんだよ」
ナイトメアが二人を怪しむように交互でみた。
「以外だなーって。まぁ、いいや。くじをひこうじゃないか」
キッザーはお手製のくじ引きで四本の割り箸をナイトメアにつきつける。
ナイトメアは不満そうにくじを引くと次にメアリーにつきつけた。メアリーが引くと自分も同じように引いた。
「僕も引いて、残ってるのがリボのだよ。リボは赤い印だね。赤い印の人は?」
キッザーは悔しそうに自分のくじを見ながら言った。自分がリボと当たらなかったのが悔しいのだ。
「俺だ」
ナイトメアが無表情のまま言った。何を考えているのかわからない。
「嫌なら変わろうか?」
「嫌だね」
キッザーは目を輝かせていったが、ナイトメアはキッザーの額にデコピンをくらわす。
「いったいなぁ。お手並み拝見と行くよ。ダンスでこけないように祈っておくよ」
「そっちこそメアリーをちゃんとエスコートしろよな」
三人はダニエルに案内されてダンスホールへと進んだ。
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