第二話「執事と主」

それから死体の件はまた後日の話となる。

三人と一機は色欲のいる街へときていた。

金属をりあてる街でもあるためか、装飾そうしょくが金属であることが目立っている。

きらびやかな街だね」

「キラキラしてる」

メアリーは傲慢ごうまんとの戦いからリボとキッザーへの敬語はやめていた。

そこへ車椅子を引いてリボたちの前に姿を現したのは金髪の顔や身体がやつれた19歳くらいの女の子と眼鏡をかけて、甘いブラウンの短髪を風でなびかせて、素敵な笑みを執事服を身にまとった24歳くらいの青年が向ってきた。

「はじめまして、よくおいで下さりました」

青年はきっちりとしたお辞儀をして笑顔を絶やさない。

「なぜここに私達が来ることを知っている?」

不思議そうにリボが聞いた。誰もこの執事とは連絡も取ってなどいないのだからなぜ向いにこれたのか不思議だった。

「何故って。私は執事です。このような情報は耳に入れてます」

青年は口元をおさえてクスクスと笑っていった。どうやら青年はかなりの情報網を持ち合わせているらしい。

「なるほど」

(ねぇ、リボ。石に反応とかどちらが人形かわかる?)

キッザーはリボにひっそりと耳打ちをした。

するとリボは首を振った。

(わからない。反応もなければ、見た目では判断は難しい)

悔しそうなリボの顔を見て本当のことを言っていることが分かる。

「すみませんでした。名乗るのを忘れてましたね」

青年の執事はハンサムな顔立ちで笑顔がぴったりあっていてメアリーはほほを染める。

それを見てナイトメアは冷たく青年の執事にみつけた。

「こちらがわがあるじであり、ここの領主りょうしゅであるミランダ・クランシェ様です」

車椅子の女性は反応さえも動きもしない。

「すみません。この方は大五感すべてをうしなっておりまして」

「大五感すべてを?」

キッザーはそんなことがあるものかと不思議そうに聞いた。

「ええ、両親と婚約者こんやくしゃまで亡くされたのですから」

執事は彼女の耳元で愛くるしくささやく。

根拠こんきょはないがその姿を見てキッザーは執事が人形で『色欲』をもっていることがわかった。確信はないためまだリボには言えないが。

(なんでわかったんだろう)

そのときに傲慢の戦いにて自分の母親に言われたのを思い出す。

「母親に言われた言葉を入れる」

キッザーは首を振ってうつむいた。

「私はダニエル・ガードナーでございます。気軽にダニエルと呼んでもらっても構いませんよ。以後お見知りおきを」

ダニエルは笑顔で軽くお辞儀じぎをした。

「歓迎の準備はできております。さぁ、いらして下さい」

リボたちはいわれるがまま、屋敷にむかった。

三人と一機は敵の窮地きゅうちに招かれて向うのは違和感を感じた。

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