サイレントデイズ本編

第4話 10年前、10年後の自分

 ある意味最悪な出来事。

まさか10年前の自分に出会うなんて考えられない、いや一生ないかと思ってたぐらいだ。


「あなたは?」


 10年前の自分こと夢葉くん(青年)が10年後の自分に名前を尋ねている。

ある意味奇跡な話だということは誰もが思う


「えーと…俺はく、くら」


「くら…?」


 ええい!思いっきり出したほうがスッキリする!

俺は刑事手帳を取り出し名前をいった。


「夢葉京、刑事だ!」


「刑事!?

てか名前も一緒てことはもしかして…」


「そ、そうだ」


「10年後の俺!?」


「あ、ああ。その通り。」


「凄い!"あの人"の言った通りだ!」


あの人?


「あの人って?」


「あ、ごめんなさい。

とりあえず俺の家っていうか実家に帰ろ。」


 上げていたテンションを無理やり落とした夢葉くん。

青年は大変だな。


「ああ、そうするか。」


「なんて呼べばいいですか?」


「確かに10年後、10年前の夢葉とか言いにくいな。」


「大変なんですよ…」


「じゃあ呼びやすいように京と呼んでくれ

そのほうが愛想よく名前を呼ばれるからな。」


「わかりました!京さん。」


 10年前の自分に言われると恥ずかしいどころか運命を感じるぐらいだ。

俺たちは家へと戻って行った。


 家へとやってきた

久々に家に帰ってきたがやはり本物の感触があって心地がいい


「今、親いないんで気にしないでくつろいでくださいね。」


「ああ、わかった。」


 確かこのとき親は単身赴任で春まで戻らないことになってたな。


「単身赴任で春まで戻らないし気にしないで使ってください。」


 やっぱり。

リビングのテーブルに持っているものを置き、夢葉くんとさきほどの話を始めた


「いやほんととびっくりです、まさか本当に10年後の自分がやってくるなんて。」


「事件を追っていたら、何故か10年前にやってきたんだ。」


「もしかしてオーロラ現象ですか?」


「なぜわかった?」


「それも"あの人"から聞いたんです」


「それで聞きたいんだが"あの人"って誰のことだ?」


「名前は聞いてませんが黒い服を着た女性が"近々10年後の自分がオーロラによってやってくる"と言っていました。」


「黒い服の女性…」


 俺はオーロラの前にいた女性を思い出した

黒い服で女の子らしい姿をしていた

まさかそれが夢葉くんがいっている女性なのか…?

謎がまた多くなってしまった。


「大変な事件に巻き込まれてしまったな、これは」


「まあ春までまだまだありますし大丈夫ですって」


「だがあっちの時間は動いてるかもしれないんだ」


「そうかもしれませんね…じゃあ自分も手伝います!」


「え?仕事とかは?」


「大丈夫です、今自分の会社査察が入っていて仕事ができない状況でして」


「査察か。」


確か横領が起きたんだったな。


「上司全員が横領をしていたので他にもいないか探している途中なんです。」


「大変だな。」


「そんなことは気にしないで事件進めちゃいましょうか!」


 夢葉くんがそうつぶやくと、俺の携帯にメールがやってきた。

メール?どこからだ

携帯を開くとそこには片山美香かたやま みかとかかれていた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る