第3話 2006年
寒い。
どうやら意識があるようだ。
俺は目を開けるとそこは先ほどいた通り道に倒れていた。
だがさっきと様子が違う。
部長もいないし、野次馬、マスコミもいない。
おかしい。
立つとさきほどの通り道ではあるが何故か建物が違うことに気づく。
「ここは…足立区か?それとも違う場所?」
少し歩くと40代くらいのおばさん二人が立って会話を交わしていた。
二人に聞いてみるか…
「あのすいません。」
「ん?どうしたの?」
ここってどこですか、と聞くと変人と勘違いされてしまう。
俺は方向音痴だから迷っているということを話した。
「ここは足立区よ」
「そうですか!ありがとうございます。
ちなみに今何時だったりしますか、携帯が充電なくなってて。」
これも嘘だがな。
「今かいー?
えーと2006年の1/16日だね。」
…は?
「2006年…ですか?」
「そうよ。」
このおばさんがおかしいのか?
それとも俺がおかしい?
いやここはおばさんが正しいことを言ってる。
そう感じた。
「ありがとうございます、では。」
「どういたしまして、気をつけてね~」
どうやらあのオーロラで10年前に飛ばされたと考えてよさそうだ。
困った…
次の行き先を考えると誰かがぶつかってきた。
「いてっ!」
「大丈夫かい?君」
俺は手を差し伸べた。
「ありがとうございます、大丈夫です。」
顔をこちらに向く
だがその顔は見覚え、いやかなり知っている顔
曖昧なために俺は名前を尋ねた。
「君、名前は?」
「え?俺の名前は…」
予想が大当たり
正体は夢葉京、19。
10年前の俺自身だった。
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