第2話 違和感

 現場は見通しのよい通り道

これをすぐ発見できたことは幸いだ。


「遺体があった場所はどこですか?」


「そ、それが…」


 工事監督こと第一発見者が指さした方向は


工事中とかかれてあるまさに塗りたてのコンクリートの下だった。


「コンクリートの下だと?」


これにはまたもや理解不能な出来事が起きたことに部長は頭を抱えていた。


「昨日まではなにもなかったんです!

ですが今日来たら何か肌色のものが見えたので少し掘り返したら」


死体だったとな。


「とりあえず解剖して捜査を行わないとダメだな。」


「ええ。」


そう考えた。

 二人で辺りを見ていると部長が何かの違和感に気づいた。


「おい夢葉。」


「どうしたんですか?」


「あそこみろ。」


部長が指す方向を見るとそこはオーロラが一面に広がっていた。


「なんですかこれ…」


 俺たちはもう1つ気づいた

目の前に女の子らしい人が立っていることを。

その子は笑みを浮かべながらオーロラに吸い込まれるように消え去った。


あの人はきっとこの事件に関係しているに違いないと思い、俺は走りだした。


「待て、夢葉!」


部長の声も今の心には届かなかった。


「くそ!」


 これがこのとき聞いた最後の部長の声となった。

俺は何かが起きることもわからないままオーロラに吸い込まれた。

事件の真実を追いに行くために。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る