第7話 第三の客人ー1

「京さん大丈夫ですか?」


夢葉くんがお茶を出してくれた。


「ありがとう、進展がないから悩んでいるんだよ。」


「きっとすぐに良いことありますって!

ほら進展は身近にあるってよく言うじゃないですか」


そういうのは初めて聞いたぞ?

だけど夢葉くんの話は何かほっとできる

なぜだろうな、まあ10年前の俺だしほっとできるのは当たり前か。


「ふっありがとう。」


「なーに二人で話してるのかな?

10年前と10年後の夢葉京さーん」


まるでその会話に混ざりたそうな女子1名が突っ込んできた。


「世間話だよ、世間話。」


「そうですよ!

前から気になってるんですが10年後の自分は随分と落ち着いてるんですね。」


「確かにそうね、いつもならテンション高いのに。」


10年前のテンションとは少し違うがこのようなテンションで片山、亀山部長を励ました気がする

記憶が曖昧でわからないがな


「気のせいだよ、気のせい。」


俺はくすっと笑い、テレビを付けた。


「続いてのニュースです。

現在発生している連続失踪事件は一向に解決する気配もなく日々時間が経過していきます。」


「最近人が消えることが多いんですよ、簡単に言うと神隠しみたいに、ね」


「そうなんだ、このときの警察も大変だね~」


片山は軽いジョークを口にした


「大変だな…」


ニュースを見ながらお茶を飲んでいると、誰かの携帯に着信が来ていた。


俺は振動なっていないため片山を見ると片山も違うという動きをする。

もしかして


「あ、僕だ。」


夢葉くんはそう呟き、寒く震えている腕で携帯のメールを開くがそこには"足立区ニュ~す"とかかれているのがわかる


「なにこの"足立区ニュ~す"って。」


「ここ足立区に関してのメールなんですよ、何かあった場合メールが届くんですよ。」


ここの地元ではない片山は知らないが足立区ではこのようなメールが来るようになっている


「えとどれどれ…不審者情報。

ぼろぼろのスーツで「警察」と名乗っている30代後半の男性を多数目撃…か」


「ぼろぼろのスーツってなんかタイムスリップしてきたみたいだな。」


「私と京くんもそうだよね?」


そうでした、はい


「でも一体誰なんでしょうね?」


「行ってみるか?最後に目撃された場所は?」


「場所は…京さんと出会った通り道です、2分前に目撃されてますね。」


「行ってみよう、なにかあるかもしれないしな。」


俺たち夢葉家から出て、通り道へと向かった。

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