Chapter:1-1 西暦2066年
『十分に発展した科学技術は、魔法と見分けがつかない』
とあるSF作家の言葉だ。
だが、西暦2066年になっても、科学者たちは魔法使いと呼ばれることはない。
なぜか?
それは無からは何も生みだせないように、出来事には常に原因と結果が存在する。例えば火を起こすにしたって、燃焼させる可燃物を用意してから、火を着けるための火源が必要だ。それだけあれば十分かと思いきや、酸素がなくては火はたちどころに消えてしまう。
つまるところ、何かが起こるところに《タネや仕掛け》、いわゆる道理が必ず存在するのだ。
どんなに素晴らしく、魔法のようだと称する技術があったところでそれは当然に道理が通っていなければ成り立たない。
はたしてそれは魔法といえるのか?
逆に、だ。本当にタネも仕掛けもなく、道理から外れた『
……ありえない。いや、あるはずもない。
それでも俺はこの道理が通った科学の世界を気に入っている。魔法なんて夢物語もいいところだろう。だから俺は、ファンタジーが嫌いだ。
✝
桜の花びらもすっかり地面に落ちてしまった四月中旬。
優しくうららかな日差しに、気分さえも高揚させるような朝だ。
晴れて高校生になり、期待と不安が織り交ざった高校生活がスタートしてから、すでに二週間が過ぎた。入学式やオリエンテーションなどの歓迎イベントはひと区切りつき、これから三年間繰り返される毎日が始まろうとしているのだ。
今歩いているこの道を通ることが、最初で最後になると思った受験日を純一は思い返した。
第一志望ではあったが当時の成績では純一を含め、誰もが合格には厳しいと感じていた。
そして合格発表日、純一は吐き気がするほどの緊張と共に、自室でホロディスプレイを祈るように見つめていた。するとディスプレイが突如3D表示に切り替わり、溢れんばかりの桜と共に『合格おめでとうございます』という文言が表示された。
その後のことを純一はよく覚えていない。とにかく嬉しかったのだろう。
高速輸送シャトルを降りてから悠々と学校へ向かって歩く純一。その周りには同じ濃紺の制服を身に纏った生徒たちがすたすたと速足で純一を追い抜いていった。
(そんなに急いで学校に向かうこともなかろうに)
純一は自分を追い抜いて行く濃紺の集団の背中をぼんやりと眺めながら、ぽつりと呟いた。
そして左腕を自分の前に軽く持ちあげた。すると制服の袖口からリストバンド型のデバイスがきらりと光る。
〈Wearable Identification Device〉携帯身分証明デバイス《通称WID》は午前八時十一分と空中に表示する。
このデバイスは高校入学前に国から配付され、純一が高校生であることを証明するIDも登録されている。他にも相互通信機能や、簡易的にネットワークに接続できたりと、現代の生活にはなくてはならないものである。
学校の登校時間は八時二十五分まで。だが純一が今いる場所からゆったり歩いても学校まで五分もかからない。その証拠に真っ直ぐ前を見据えれば、遠くに巨大な校門とその奥にパステルブルーの校舎がそびえ立っていた。
私立
純一が住む
約二十年前、人口の急激な減少による地方都市の過疎化により、政府は国民を港湾都市に集める政策を決定した。政策施行中には日本の歴史上、類を見ない都市の統廃合が行われ、行財政の効率化が図られた。その後、人のいなくなった内地の土地には食料生産工場を含む大規模な無人工業地帯に転化することとなった。これにより現在、人口の減少という要因もあるが食料自給率は半世紀前より大幅に向上した。
そして、各港湾都市は地震や津波などの自然災害対策として『
歩きながらぼんやりと校舎を見つめていたが、ふと純一は周囲の生徒の数が減っていることに気がつく。再び時間を確認するとそれなりに時間がないことに純一は慌てた。
少し駆け足になりながら、少しのんびりしすぎたと後悔する。
純一の前に迫る校門は重々しい雰囲気を放っている。
中世ヨーロッパのゴシック様式を思わせる校門と装飾が施された門扉は時代錯誤であるように思える。だが古めかしい見た目とは裏腹に中身は最新式のセンサーが備わっているのだ。
出席状況は校門付近に取り付けられたセンサーで逐一行われる。登校時間が一秒でも過ぎれば即座に遅刻として減点されてしまう。
厳しいようにも思えるが、それは遅刻しなければいいだけの話。
だが、聞くところによると遅刻を逃れるために、外壁を越えて校内に侵入するという愚かな生徒が過去にいたらしい。その時は侵入者の警報が校内に鳴り響き、警備ドローンが学校中を飛び交ったそうだ。ついには
警備隊がどれだけ探しても見つからないのは当然。侵入したのが生徒であれば学校の中にいたとしても何も問題などない。最終的には教師のひとりが名簿上では欠席になった生徒を見かけて、問い詰めたところ本人が認めて騒ぎが収束したとのこと。
「よっ山県! 今日は随分と遅い登校だな。遅刻したか?」
荒い息遣いのまま教室に入り、生徒たちの注目を浴びつつも席についた純一に前の席から快活な声が投げかけられた。
朝の猛ダッシュの疲れから、机に突っ伏したい衝動に駆られる。何とか頭だけは起こした状態を保った。
目の前にいかにも体育会系っぽい少年がはにかんでいる。日に焼けた色黒の肌と笑う口元から覗かせる白い歯の対比が印象的だ。
入学式を終えた後の教室内での初顔合わせ、たいていの場合は自分の席の周りの生徒から仲がよくなっていくものだ。純一自身も例外なく、自分の目の前に座る克人と仲が良くなった。
克見た目から想像できるように克人は中学時代に野球部に所属していた。その時のポジションはセンター。部での成績に関してはチームのエースとまではいかなくともそれなりに活躍していたそうだ。
運動部特有の明るさと爽やかさを持ち合わせた克人は、入学してすぐに話し相手になってくれたので大いに助かる存在だった。
「ぼんやりしていたら、危うく遅刻しそうになった。でも何とか……ギリギリで間にあったよ。アクシデントでもないのに遅刻なんて笑えない話だしな」
純一はそう言い終わると、忌々しげに左手に嵌めてあるクロムシルバーに塗色されたWIDを睨んだ。そして大きくあくびをすると、かろうじて上げていた顔も机に伏せた。
「山県って、意外とトロい所もあるんだね」
顔を伏せる純一の右斜め前の席から新たな声がかけられた。声の主は克人のものではない、女生徒の声だった。
日本人離れしたはっきりとした顔立ち、琥珀色の大きな瞳。そして頭の後ろでひとまとめのポニーテールにした栗色の髪色をした女生徒が純一に声を掛けたのだった。口から出てきたのが流暢な日本語であることに、違和感を覚えさせるような容姿でもある。
父が日本人、母が外国人という典型的なハーフ、おまけに美人ということでクラスの中でも一際目立つ存在だった。
人目を惹く存在ではあるが、本人のあけすけな、悪く言えば男慣れした性格は誰とでも分け隔てなく付き合えていた。そのためクラスの男女問わず誰もが好感を持っている。席が近いこともあって純一も透音と仲良くなり、学校行事で何度か行動も共にしたことがある。
「トロいって言うよりかは、ちょっと浮ついてたっていうか……」
「なんだよ~このクラスの遅刻者第一号が出たかと思って祝ってやろうとしたのに。でも、間にあったんだからよかったじゃねえか」
屈託のない笑顔で克人は冗談を言う。
「いっそのこと遅刻しちゃった方が面白かったのに」
克人とは違い、透音はニヤニヤと人の悪い笑みを浮かべながら、嬉々とした声で毒づく。それに対して純一は遅刻したら何が面白いのか、と心の中でつっこんだ。だが透音も本気でそう思っていないので気にはしていない。
透音と克人にからかわれた純一は、不名誉極まりない称号を手に入れずに済んだことを心の底から安堵していた。
「なあ、話は変わるんだけどさ、お前らどの部活に入るか決めたか? たしか入部届って今週中に送信しなきゃダメだったよな」
意外だといわんばかりの表情をさせながら、机に伏せていた純一は体を起こした。
「なんだ最上、まだ入部届出してなかったのか? 俺は最初から野球を続けると思ってたんだけど」
克人は赤銅色のWIDから、今週の初めに一年生に一斉送信されたメールを空中に投映させながら悩まし気にそれを眺めていた。
「もちろん、野球部に入るのも悪くない。でも、なんていうのかな。俺自身、野球にこだわりがないっていうか、極端に言えばそれほど野球が好きでもないんだよ。でも、体を動かすことは好きだからスポーツは続けようと思うんだ。それで、そう言うお前はもう決めたのか?」
「実は俺も。中学時代は特に部活なんてやってなくて、物寂しい三年間を過ごしたよ。だから、高校では部活動に入ろうって決意したんだけど、なかなかしっくりくる部がなくて困ってんだよ」
純一は軽くはあ、とため息をつく。
放課後に行われる部活動の体験入部には何度か行ってみたが、どの部活も純一には面白いと感じることができず、あっという間に期限が迫っていた。
そして、来週には生徒会がその時点の部員数ごとに各部活動の予算を決定する。これが各部活動は躍起になって期限内に部員を確定させたがる理由なのだ。
この期限をすぎても入部をすることは無論、可能だ。だが先の理由から期限後の入部はあまり歓迎されるものではない。
「あたしはもう決めたよ」
「「マジで⁉」」
透音の返答に、克人と純一は示し合わせたかのように同じタイミングで同じ台詞を口にした。
「そんなに驚かなくてもいいじゃない」
克人と純一の反応に透音は露骨に嫌そうな表情をする。どの部に入ったんだ、と克人が尋ねると、透音は得意げな表情へと変わった。
「オカルト研究会! どう?」
「「あ――……」」
透音の自信満々な回答に対する純一たちの反応は芳しくなかった。なぜなら、透音は大のオカルトマニアだった。入学時の自己紹介でも自分はオカルトが大好きです、などと公言してみせた。
現在のような科学至上主義の時代でも、このように一部の人たちの間ではオカルティズムはまだ続いている。
「いいじゃない別に!」
「まあまあ、いいんじゃないか? 洲崎にはぴったりだよ」
憤慨する透音を、克人は持ち前の明るさでなだめる。
透音と克人のやり取りを前にして、純一はふと思いついたように机の表面をひとさし指で軽く二回叩いた。すると純一の目の前に机に備え付けの簡易ホロディスプレイが展開される。スクリーン内に星辰学園の学内ネットワークのトップページが映しだされる。
群青色の下地に白点が散りばめられた星空を背景にしたページのメニュー欄から部活動の項目を指でなぞる。もちろん空中に投映された実体のないディスプレイなので指先にはなにも感触はしない。だが目の前で展開するスクリーンは瞬時に各部活動の簡単な紹介ページへと変化した。
このページには視線アシストが組み込まれている。部活の名称に目線を合わせただけで今見ているスクリーンの左上に小さい簡易的なウィンドウが開かれた。そこには活動内容と共に活動写真もしくはPVが再生される。
入学当時は最新の設備と言われるだけあって感動もしたりはした。だが、よくよく考えてみればどれも普段の生活内で取り入れられている技術だ。今では当たり前のように受け入れられたし、使いこなしている。いかに自分がいた中学校の設備が遅れていたか、改めて認識させられる。
バスケ部、写真部、フィッシング同好会と様々な部活の紹介や最新のイベントの案内が表示されていく。
「おっ、いいもの見てんじゃん! 俺にも見せてくれよ」
透音に詰め寄られていた克人が、純一の展開するホロディスプレイの存在に気が付いた。
真向いにいる克人や透音にも純一が見ているものが反転して表示されている。ただし、ディスプレイの起動者が許可しない限り、他者には操作することができない。
他者から自分のディスプレイが見えるなど通信の秘密においては重大な欠陥のようにも思えるだろう。しかしここでは学内のネットワークで提供されるサービスしか利用することしかできない。プライベートにかかわる事柄がディスプレイに表示されることはまずありえないのだ。だからこうして他人の目を気にせず堂々とディスプレイを広げられる。
「へえー、部活ってこんなにあったんだ。知らなかった」
既に部活を決めている透音は部活動の数の多さに驚いた。透音はオカルト研究会一本で絞っていたのだろうと純一は推測する。
「どうだ、ここにある部活動のいくつぐらいは見てきたんだ?」
克人が純一に尋ねる。
「三分の一といったところかな。どれも放課後に適当にぶらつきながら覗き見る程度しか見学してないよ。でももう時間がないから、面白そうなところを選別して目星をつけるしかないか」
黙々と純一は視線をディスプレイの中で泳がせ、次々と展開していくウィンドウを眺めた。特に興味がそそられなければ、すぐさまウィンドウは閉じられ、また新たなウィンドウが展開された。
克人と透音は純一のディスプレイを見つめていた。だが純一のペースには追いつけないと判断したのか、二人は別々のことをし始める。
「なあ、最上。おまえこの部活ならやっていけるんじゃないか?」
リストの中の運動部の欄が終わりかけたところで、純一は暇そうにWIDをいじる克人に声を掛けた。そして現在見ている部の簡易展開ウィンドウを拡大してみせた。
純一に言われた通り克人はスクリーンに映し出された内容を一瞥し、「ハンドボール?」と聞き返す。
「そう。ここにあるように初心者大歓迎ってあるし、野球やってたお前なら投擲力もあるだろうからきっと喜ばれるだろうさ」
「ええっと、活動日は……ちょうど今日か。どうだ山県、お前も一緒に放課後に見にいかないか?」
「残念ながら俺はインドア派だ。スポーツはあまり得意じゃない。だがちょっと待て、残りの部も確認させてくれよな。面白そうなのがなかったら俺も行くかもしれない。写真部に鉄道研究会、それに……」
リストを急降下していく純一の目は一つの名称に釘づけになった。いつも通り簡易ウィンドウが展開する。
――そしてウィンドウは爆発した。
何が起こったのか理解できなかった。突然小さなウィンドウから閃光が迸り、爆炎が目前に迫ってきた。続けて爆音が教室中に轟く。
突然の出来事に純一は椅子から後ろへ向かってすっ転ぶ。それまで和気藹々とした雰囲気だった教室はなにごとかと騒然とした。
「いっ、てて……何なんだよ……」
先ほどの爆音のせいで耳鳴りがする。しかも思い切り床に打ち付けた尻が痛い。痛む尻を撫でながら、純一は立ち上がった。
勿論、本物の爆発でないことは分かっていた。そうじゃなかったら今頃、自分の上半身はとっくに消え失せているだろう。
「ちょっと、今のなに!」
「おい山県! お前、いったい何やったんだ⁉」
純一と同様、突然の出来事に驚いた透音と克人が荒っぽい声を出す。
「……俺も何をやったのかさっぱり分からん。この部活リストの一番下にあった天文研究同好会ってとこの紹介ウィンドウを開けたと思ったらこれだよ」
(大体、音声が流れないようにスピーカーの機能はきってあったはず。それがなぜかいきなりオンになっているのはどういうことだ?)
困惑する純一をよそに、開かれたままのウィンドウが次のアクションを起こした。
「はーい、これを見た人、驚いたかな? 今のは、宇宙の始まり『ビッグバン』を模した爆発でーす!」
爆音を放ったスピーカーから今度は底抜けに明るい声が流れる。騒然としていた教室が今度は一斉に静まりかえった。
どこかの部室で撮ったのだろう。雑多に物が積み上げられた部屋を背景にして、その真ん中に誰もが見目麗しく思うであろう美少女が映し出されていた。
「容量制限があるから手短になるけど、私たち天文研究同好会の見学会を西棟にある地学室でやります! これを見た人は是非来てくださいね!」
と言ったところで、紹介ウィンドウが音もなく閉じられた。
(なんだったんだ、今のは?)
嵐のように過ぎ去っていった出来事に理解が追いつかない。いろいろと突っ込みどころがあるが、その前にやることがある。
「お騒がせしました……」
と、クラスメイトたちに向けて純一は謝った。周りの人たちは、温かい目で笑って許してくれたが、恥ずかしいことこの上ない。変な意味で目立ってしまった。
「さっき映ってたのってさ……あの
謝罪を終えて着席した純一に、目の前の克人が興奮気味に話しかけてきた。
純一には聞いたことない名前だった。それは透音も同じだったらしく首をかしげていた。特に聞き覚えのない名前だったが、なぜ克人がここまで大きく反応をするのか不思議だった。
「さっき映ってた天文研究同好会の人、知ってるのか? 俺としてはえらい目にあったから文句のひとつでも言ってたいところだが」
「でも、綺麗なひとだったね」
そう言う透音もルックス的には負けてはいないと純一は思った。しかし透音の言う通り、確かにかなり綺麗な女生徒だった。
「お前たち、去年の学校案内見なかったのか? そのトップに映っていた美人がさっきの人なんだぜ!」
それなら昨年の夏に自分も目にしたはずだが、表紙に関しては全く覚えていない。
気になった純一は机に展開していたディスプレイを閉じ、WIDから生徒広報を開いた。
いくつかの項目を空中でスクロールして『二〇六六年度用 学校案内』というタイトルを見つけ出す。そのまま学校案内の文字に指先を這わせた。
コンマ一秒もかからないほぼ一瞬で、昨年の学校案内が展開。
今朝もくぐったあのゴシック様式の校門とパステルブルーの校舎を背景にして二人の生徒が中央に立っている。微笑みながら佇んでいる二人の生徒はかなりの美男と美女であった。
確かにここに映っている美少女、先ほどの映像より髪は少しだけ長いが、その顔立ちは一致している。
その微笑む姿に上品でお淑やか、という印象を純一は抱いた。しかし、先ほどのパフォーマンスを見る限りでは、意外と活発な性格なのかもしれない。
「この人か」
「そう、しかもそれだけじゃないんだぜ。確か、二年前……だったかな。『新しい小惑星を中学生が発見!』っていうニュースがあって、そこに出てたのがこの人ってわけだ。まあ何にせよここではちょっとした有名人さ」
見た目だけではなく、才能に関してもお墨付き。世の中ってやつはよくできていると純一は嘆く。
「そんな有名人なら、是非お目にかかりたいもんだ。放課後、特に用事が無かったらその天文研究同好会の見学会でも覗いてもいいかな」
「マジかよ! それだったら俺も悩むな。ああでも、ハンドボール部の体験があるしな……」
純一は冗談で言ったつもりだったが克人は腕を組んで真剣に考え始めた。どうやら本当に頭の中で天秤にかけているようでもある。
「やっぱり男って単純ね」
克人のあまりの悩みっぷりに透音は呆れ果てる。
「別に同じ学校でいっこ上の先輩なんだし、会おうと思えばいくらでも会えるだろう。お前はハンドボール部に行って来いよ。天文研究同好会だって他の日にも見学できるだろうよ」
純一は戸惑いつつも、本格的に迷い始めた克人にハンドボール部へ行くことを勧めた。純一のひと言に克人は気分が晴れたようで、元通りの快活さを取り戻す。
放課後の予定がそれぞれ決まったところで、タイミングよく教師がホームルームのために教壇に上る。そして純一にはもう慣れた授業が始まるのであった。
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