第24話 ダオナンなのじゃ!
村の中を一人の幼女が行く。
透けるような白い肌に見事な艶の艶の金髪ロングストレートを腰まで伸ばし、その上に光沢のあるベールをのせている。ほっそりとした手とそれとは対照的な柔らかそうなお肉のついた足を元気よく振り、薄く肋骨が透けて見える体に丈の短い修道服を纏っている。
村の内部限定で許された探検を全力で楽しんでいるシスター見習いのルルであった。
「今日はどこに行こうかのう!」
「おや嬢ちゃん、今日はこれから冒険者ギルドかい?」
「む!ダオナンではないか!本物か!?」
前回の冒険の翌日、冒険は禁止されてしまったけれどその代わりに本日はお休みとしますと言われたルル。せっかくなので探検をしようと村を散策中にダオナンと出会った。
先日イタチが化けていたのもあってついつい身構えてしまう。
「なんの真似だ?……ああ、そういえば妖怪が俺に化けてたんだって?あほだよなー姿だけ真似ても意味がないってのに」
「むむ?!」
「ちょっと難しいか?わかりやすく説明してやるよ」
「あっ!これせんせぇに習ったところだ!」
「いきなり大声だしてどうした」
「うむ!おぬしが言おうとしたのはこういう事じゃろ!確か三つ理由があってじゃな……」
「おおーちゃんと勉強してるな!えらいえらい」
「どんなもんじゃい!すごかろう!」
ルルは先日ギルに教えてもらったことを多少あやふやになりながらもそのまま伝える。ダオナンは間違いなく丸暗記であろうと理解しながらもそれを褒め称える。できる男である。
「それでダオナンは何をしているんじゃ?」
「おう、これから森の調査に行くんだよ。森に詳しい俺にお鉢が回ってきたんだよ。まぁ調査に出るのは俺だけじゃないけどな」
「ほほう!」
「そうだ、調査のついでに獲物がとれたら教会に贈っといてやるよ」
「ほんとか!」
「今までもそれなりの頻度で贈ってはいるぜ?」
「おお……ダオナン様……!無礼者などお詫び申し上げますのじゃああああ!」
お肉贈与発言を聞き見事な手のひら返しをするルル。ダオナンは露骨なまでの態度を受け若干引き気味となる。
「そ、そこまで言うほどのことでもねぇよ?」
「食事を食べる際はそれにかかわるすべてのものに感謝するようにとばっちゃに習ったのじゃ!だからそこまで言うほどの事なのじゃ!」
「お、おう、それなら受け取っておくわ、どういたしまして。まぁ様付けはやめてくれよ、こんな小さい子に何言わせてんだって言われっちまう。……じゃぁ俺はもういくからよ、またな嬢ちゃん」
「おたっしゃでええええ!」
初対面の時とはまるで違い敬意120%で見送りをする現金なルルであった。
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