第97話 クリスマス・フィードバック・ブディズム その8
「では、早速プログラム1ということで、ほーわをします。テーマは・・・」
ホワイトボードに力強く書いた。
”虚構は現実を救えるか”
「まず、小学生の皆さん、この漢字、読めますか?えーと、はい、あなた!」
高学年らしい子を指名する。
「はい。え・・・と、”キョコーハゲンジツヲスクエルカ”、です」
「おー、すごい!ありがとうございます。ついでに、意味は分かりますか?」
「えーっと、嘘が現実を救えるか、ってことですか?」
「はい。そうですね。大体そういうことですよね。さらに詳しく言うと、”虚構”、っていうのは、いかにも本当らしくしくむこと。つまり、ほんとじゃない、”フィクション”、って呼ばれるものがそうですけど、小説だとか空想だとか、まあ、妄想もそうですね。では、次の質問です。皆さん、目をつぶって下さい」
会場がちょっとざわつく。
わたしは淡々と話を進める。
「皆さん、目をつぶりましたね。わたしがいいというまで開けないでくださいね。これからいくつか質問をします。当てはまる、と思う方は手を挙げてください。ただ、上げるのが嫌な方は上げなくても結構です。手を挙げるのを見てるのはわたし1人ですので、わたしに見られても嫌でない方は、どうぞ手を挙げてください。では、最初の質問です」
みんな、しん、と静まり返っている。
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