第20話
「——とか思ってたりすんの?」
「いやしねえよ」
ロマは堂々と妄想(19話)を広げていた。
大惨事学校での事件の翌日。学校には本当にロマがいたのだが、俺を見るとすぐに駆け寄ってきて妄想を垂れ流してきたのだ。
「さっきの妄想俺の人格変わってんじゃねえか」
「え、本当はこうじゃないの?」
「なわけあるか。だいたいギルドの一番偉い人が俺らと同い年なんてありえないだろ」
「でももしそうだったらいいなとか思わない?」
「思わない」
「本当?巨乳美少女だよ?それが2人だよ?両手に花だよ?ハーレムまっしぐらだよ?」
「……思わない」
「今間があった気がするけど。いっそのことウィンくんが男装だったら完全にハーレムだよ?ラノベとかの主人公っぽくない?」
「俺はラノベの主人公じゃない」
「異世界行ったり神様にあったりしといてそれ言う?」
「とにかく、ラノベの主人公うんぬんは置いといて、リオさんが巨乳美少女だとすると睦月もそうということn」
「何の話してんの?」
「うわあぁぁぁ!」
後ろに睦月が立っていた。話は聞かれていないはず。そう願いたい。
「その人は誰なの?」
「どうもー交也くんの友達の露麻でーす。よろしく、睦月リオちゃん」
「どうぞよろしく。で、何の話をしてたの?」
「教えなーい」
「何それ。ヒドくない?教えてよ」
「えー嫌だー」
「教えないと二世と音野の恥ずかしい話するわよ」
俺に対する脅しになってるし俺と音野とばっちりじゃねえか。てかお前何を知ってんだ。
「いや全部知ってるんでお構いなく。容赦なくぶちまけてください」
いやお前も何言ってんだよ。
駄目だ。この二人が一緒になったら胃が痛くなる。
「でさあ、王都に行ったらどうすんの?」
睦月を追い払ってからロマが話しだした。
「いや、多分報酬受けとって……セレモニーかなんかやって……で終わりだと思うが」
「そっか。まあ何にせよ何事も起こらないほうがいいよね」
何か知ってそうな言い方だが。気にしないのが一番かもしれない。
「まあ王都は広いしさ。色々と楽しんだらいいんじゃないの?ここんとこ事件続きだし」
「それはそうだが……」
何か引っかかる。やはり何が起こるのか知ってるんじゃないか?
「なあ、お前何が起こるのか知ってるのか?」
思わず聞いてしまった。
「え、いや何も知らないけど」
「そうか?なんか胡散臭い感じがするが」
「気のせいじゃないかな?」
「だといいけどな」
「じゃあ話を蒸し返すけどギルドの最高責任者が巨乳、いや爆乳美少女っていうのはありえると思うんだ。なぜならパラレルワールドはいくつにでも広がるから!そんな世界もきっとあるさ!」
「もうお前が変態にしか見えない」
「それを言うと大抵のラノベの作家は変態ということになるけど」
「うっ……。痛いところを」
「君もラノベは読むでしょう?君の言ってることだと君は変態の書いたものを読んでることになるんだけど。つまり君m」
「わかった!わかったから!てかもうこの話はやめろ!」
「わかったよ。あー面白い」
面白半分で俺を弄ぶんじゃねえよ。と思ったが口には出さなかった。おそらく顔に出てたからだ。
**********
そして3日が経ち、俺、リオさん、ウィンは王都に着いた。
ロマの言う通りになってなければいいんだが……。フラグになっているのかもしれない。
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