第10話
「1日1回楽なクエストやってたら食う寝るには困らないと思うんだけどな……」
「それは無理だぞ。一定のレベルになるごとに受けられるクエストのレベルも上がっていく。そうしないと初心者が簡単なクエストを受けられないならな」
異世界生活2日目、俺はリオさんとウィンと合流して朝食を取っていた。ウィンは金も無いし昨日クエストを受けていないしで俺たちから分けてもらっているが。
「それならモンスターと戦わないクエストでも…と思ったけど多分経験値が入るとかでレベルは上がるんだろうしな…やはり楽して生きる方法は無いのか」
「当たり前だ。そんな楽が出来るなら生活目的の奴は皆そうしているに決まっている」
「クエストも受けてねーし飯も分けてもらってる奴が偉そうに言うなよ。てかどうせそれも知ったかぶりなんだろ。なんか喋り方微妙に変わってるし。何に影響を受けた」
「失礼だな。俺だって勉強するんだ。ゆうべは徹夜してたんだよ」
「それじゃあ俺に教えてくれよ。いろいろ知りたいんだ」
「教えるのはいいんだが…寝る前に覚えようとしたことは覚えやすいとはいうが…その…努力だけは認めて欲しいな」
ほとんど覚えてないのか。その努力無駄じゃねえか。
「やっぱり役に立たねえな。リオさん、良ければ教えてくれませんか?」
「いいですけど…何からがいいですか?」
そうだな…まだここに来て2日だし分からないことはまだまだ多い…。
「とりあえず、クエストの種類とか教えてくれませんか」
「おい待て、それくらいならこの俺でも……」
お前に聞いても意味ない。そう言おうとしたときにはベートがウィンの首筋に手、もとい剣を突きつけていた。
「徹夜しないと覚えられない程度の低脳が未来ある人を潰さないで下さい。昨日のクエストで見たでしょう?コーヤさんは将来有望なのです。貴方のような人とは違うんですよ」
「ベート、やめてやれ。恐怖で後半聞こえてない。リオさん、クエストの種類について教えてください」
クエストは主に2種類がある。入手系クエストと討伐系クエストだ。
入手系クエストは言葉通り何かの素材の調達をするクエスト。
討伐系クエストはこれまたシンプルに対象のモンスターを討伐するクエスト。
どちらのクエストもモンスターと戦闘することはあるが、戦闘後の処理が違うのだ。入手系クエストなら指定されたアイテムをモンスターが落としたなら全て依頼主に譲渡、討伐系クエストならモンスターが落としたアイテムは基本冒険者の物になる。
また、報酬も多少違うところがある。
入手系クエストは目的のアイテムは全て依頼主に譲渡のためもらえるのは報酬金だけ。しかし、討伐系クエストは報酬金に加えてモンスターのアイテムをゲットできる。そのため討伐系クエストの報酬は入手系クエストよりも少し少ないのだ。
……というのが以上リオさんの説明だった。
「じゃあ昨日受けたのは討伐系クエストなんですね。じゃあ今日は入手系クエストを受けますか?」
「まだ2日目ですし、バランス良く受けた方がいいですね。そうしましょう」
「じゃーな、ウィン。頑張って一人で暮らせよ」
俺たちはウィンと別れてクエストを受けに行った。
すると…そこには俺たちが昨日受けたクエストと全く同じクエストがあった。
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