第17話 SUPERSTUPID 2
それから一週間ほど経った、火曜日のことだ。ちょうど四時間目が終わる寸前、雄介の携帯に連絡が入った。
そっと机の下で確認すると、コウからだった。この時間に連絡をよこすのだから、もしかしたらROCKARISEの件かもしれない。雄介はいてもたってもいられない気持ちで授業の終わりを待った。
号令のあと、教師が出て行くのと同時に廊下へ出て、コウに連絡を取った。すると飛び込んで来たのは、とんでもない一報だった。
「タツが逮捕された」
「え……?」
一瞬で頭が真っ白になり、コウの言葉が理解出来なかった。
「……なんで? いつ?」
「さっき横田さんから連絡あってよ。逮捕は昨日の深夜、容疑は薬物の不法所持だ。雄介、今日学校終わったら、俺んとこ来れるか?」
妙に落ち着いた低い声が、白くなった頭の中をぐるぐる回る。昼休みを迎えた廊下の喧騒が、ひどく遠くに聞こえた。
「……すぐ行く」
「急がなくていいぞ、学校終わってからで」
「……」
「おい、聞いてんのか?」
「あ、ああ、判った……」
「じゃあ、後で」
通話は無機質な終了音を残して、あっさり切れた。それをしばらく聞いたあとで、雄介はのろのろと携帯をポケットへ入れた。
「何で……」
力なく壁にもたれ、脱力した体を預けた。
タツが薬物を持っていたなんて、まったく知らなかった。少なくとも、サイレントルームを始動させてから、彼からそんなものの気配は感じられなかった。数え切れないくらい彼の部屋に泊まり、夜通し曲を作って来たが、疑わしいことは何一つなかった。
まったく信じられない。でもコウから伝えられたことは、多分真実だ。
「あ、いたいた。雄介、お昼食べよう」
呑気な誘いとともに、愛美が笑顔でやって来た。だが雄介は返事が出来なかった。
「どうしたの、顔、真っ青だよ。具合悪い?」
「タツが……」
「え?」
「タツが、逮捕されたって」
「ええっ! どうして?」
思いっきり驚いた愛美の顔を見て、やっと現実味が戻ってくる。それは同時に、強烈な動揺を伴った。
「くっそ、あのバカ……こんな大事な時に!」
頭から、音をたてて血の気が引いて行く。それを湧いて来た怒りで押し戻しながら、雄介は教室へ戻った。
「雄介っ」
追って来た愛美に応える余裕もなく、鞄に教科書を乱雑に突っ込む。何事かと視線が集まるのを無視して、またすぐに教室を飛び出した。
「雄介!」
「早退する!」
「え、ちょっと……!」
雄介は呼び止める愛美を振り切り、中央階段を飛ぶように駆け降りた。
学校を出た雄介は、そのまま清称寺へ急いだ。
深夜、バイクなら三十分で着く距離を、日中に三倍の時間をかけて交通機関で移動する。爽快に飛ばすのと違い、バスは各駅停車だ。のんびりしたリズムで流れて行く昼下がりの風景が、かえって不安と焦りを刺激した。
これからバンドはどうなるのだろう。
どうか、間違いであって欲しい――雄介の願いは、ただそれだけだった。
一時間半後、雄介はやっと清称寺に到着した。
古めかしく立派な正門を潜り、敷石の並ぶ道から本館の正面玄関へ入る。出て来た若僧にコウへの面会を頼むと、若僧は少し困った顔をしながらも、雄介を奥へ案内した。
板張りの廊下を進むと、あたりには線香の香がうっすらと立ち込め、本堂からは低い読経が流れている。本堂の向かいには十畳ほどの控室があり、雄介はそこでしばらくコウを待った。
バス停から十分の道のりを走ったせいで、じっとしていても、汗が噴き出してくる。息苦しさが収まらず、煩わしい。
綺麗に片づけられた部屋で苛々していると、向かいの読経が止んで人が動いた。続けて朗々とした説法が聞こえ始め、そのすぐ後に、薄茶の袈裟を纏ったコウが入って来た。
「待たせて悪かったな、ちょっと法事が入っててよ。つうか、急がなくて良いって言っただろ」
「コウさん、一体どういう事だよ?」
「昼前に……お前に連絡する直前、横田さんから連絡貰ってよ」
コウは灰皿を携え、雄介の向かいに胡坐をかいた。
――昨夜、タツと横田はとあるバーで落ち合った。そのあと場所を横田の部屋へ移して飲み直そうと店を出た。
深夜の繁華街を歩いている最中、タツはある男に声を掛けられた。男はどうやらタツの古い友人らしく、タツに物を預けてすぐいなくなったそうだ。そして五分後、タツと横田は二人の警察官に職務質問を掛けられた。
ところがタツは何を思ったのか、職務質問を頑なに拒み、逃げようとした。それで一人の警察官ともみ合いになり、公務執行妨害と言う名目で最寄りの警察署へ連行された。そして所持品検査の結果、大麻が発見された。当然タツはその場で逮捕され拘留、一緒にいた横田も事情聴取を受け、ようやく今日の昼前に放免されたのだった――
コウは憎々しげに、煙草を灰皿へ押し付けた。
「まったく、あのバカが! この大事な時に、とんでもねえ事やらかしやがって。雄介、お前、知ってたのか?」
「知るかよ、こっちだってビックリして倒れそうなったんだから」
「……だろうな」
コウは大きな溜息を吐き、雄介は唇を噛んだ。
ライブが立て込み、ROCKARISEの話まで来ていると言うのに、タツは一体何をやっているのか。そう思うと、血が沸騰するほどの怒りが沸いて来る。コウも同じらしく、普段より眉間のしわが深かった。
その後、三十分ほどしてから現れたダグラスを交え、今後の活動について話し合った。
コウは自室へ一旦戻り、携帯とライブ関係の資料を持って来た。
「まず、現段階で決まってるライブは辞退するか、サポートを入れるか、三人でやるかしなきゃならねえ。タツの代わりをやれるようなギター、誰か知ってるか?」
訊かれても、雄介もダグラスも、心当たりはなかった。
タツはアドリブ要素が高く、ライブごとにフレーズのアレンジを変えて来るようなギタリストだ。それはより良い楽曲にするための進化を重要視しているからで、そこがサイレントルームのライブの魅力の一つにもなっている。
彼と同じように演れるヘルプはいない。仮に誰かを入れ、音源をコピーさせたところで、変形コードやフレーズのバリエーションが多く、次のライブまでには間に合わないだろう。
もちろん雄介一人では、タツの抜けた穴を半分も埋めることは出来ない。どっちにしても、バンドとしては不完全な形でライブをするしかない状況だ。
雄介は苦しい選択肢を選ばざるを得なかった。
「……ちゃんと四人で演れねえなら、ライブに出る意味、俺にとってはねえ」
「キャンセルするってか。ツアーん時の対バンからだって、声掛かってんだぞ」
「判ってる。でも、アイツのギターじゃなかったら、どんな上手いギター連れて来たって、俺らの音じゃねえよ」
雄介がそう言った途端、コウの額に稲妻のような青筋が走った。
「アイツはクビだ」
「え?」
「今回、俺らがどんだけの迷惑をこうむったか判ってるか? 幾らギターがイイからって、こんなハンパもんじゃ話にならねえ。俺はもう、あのバカとは一緒にやりたくねえ」
「待ってくれよ、コウさん。このバンド作ったのはタツだし、アイツの曲とギターは、ウチに絶対欠かせねえんだ。アンタだって判ってるだろ?」
「ああ、判ってたさ、あのバカがサツに捕まるまではな。だが見ろよ雄介、おかげで予定はメチャクチャだ。こんな状況じゃ、ROCKARISEだって流れるだろうよ」
それを言われると、雄介も叫びたくなるほどに悔しい。だが、雄介にとってタツは親友であると共に、尊敬する音楽の師匠でもある。このままクビにする気には、どうしてもなれなかった。
「そんな簡単に切っちまって良いのか? せっかくここまで来たのに、メンバー探してまた最初っからバンド創り直すなんて、そんな遠回りすんのかよ?」
「雄介、お前がタツをどんだけ大事に思ってるかは知らねえがな。俺はオトモダチ同士で、慣れ合ってバンドやってく気はねえんだよ」
「ああ? 俺だって、そんな事思ってねえよ」
「じゃあタツを切れ、このクソガキが。情にほだされてんじゃねえぞ!」
「何だとこのハゲ、それが坊主の言うコトかよ!」
雄介が歯をむいた途端に、コウが雄介の胸倉を掴んだ。対して雄介もコウの胸倉を掴み、二人は火花を散らす勢いで睨みあった。
びりびりと空気が震えるような、そんなきわどい雰囲気が控室を満たす。その中でタグラスは、あっ、と手を叩き、傍らに置いてあった黒革のリュックからタブレットを取り出した。そして、急いで画面をタップした。
「ああ、あったあった。タツやんってたぶん、初犯だよね。その場合は執行猶予が付く可能性が高いんだって」
「はあ?」
のほほんとしたダグラスの言葉に、コウと雄介が苛々した視線を向ける。しかしダグラスはまったく気にせず、にっこり笑って画面を差し出した。
「ホラ、ここに書いてあるよ。それからコッチは、タツやんのケースとそっくりな事件の判例。所持してた量や依存度によって違いは出るけど、売ったり育てたりしてなきゃ、多分こうなるだろうって」
「……」
「タツやん多分、持ってただけなんでしょ? じゃあすぐ出て来るんじゃない?」
胸倉を掴みあったまま覗きこんだ画面には、難解な法律専門用語がびっしりと書かれている。それをしばらく眺めてから、コウは不可解な顔でダグラスを見遣った。
「コレ、何の本よ?」
「裁判判例集。最近寝る前に読んでるんだ。面白いんだよ、漢字もたくさんね」
「……へー」
「とりあえず僕は、タツやんが出て来るまで保留にしておくのがオススメだよ。ライブは残念だけど、キャンセルしよう。今は焦っても仕方ないよ、急げば転ぶって言うでしょ? それにしても、僕ナイスだな。何でもどっかで役に立つね、世の中ムダなものってないね」
良いことを述べているが、格言が思いっきり間違っている。しかしダグラスがあまりに良い笑顔をするので、コウも雄介も訂正出来ないまま、互いの胸倉から手を離した。
ダグラスのおかげで冷静さを取り戻したコウは、現在決まっていたライブの主催者へ、状況の説明と辞退の詫びを兼ねた電話を入れた。その数は年内で八本、半分はUGAで、他は東北や道内の地方だった。ROCKARISEに関しては音源を提出したばかりなので、結果を待って対応することにした。もっともこのような事態になってしまったから、審査すらして貰えないかもしれない。
埋まっていたスケジュールがどんどん白紙に戻って行くのを見て、雄介は悔しさに泣きたくなった。だが今は、タツが出て来るまで待つしかない。思う存分怒りをぶつけて切るにしろ、考えを改めさせて続けるにしろ、刑罰がはっきりするまでは我慢だ。
メンバーが一人欠けたからと言って何もせずにいれば、バンドは空中分解する。そう意見したのは、一番冷静に状況分析していたダグラスだった。それに従い、当分の練習はカバー曲のアレンジをやることにした。そして曲を三つ決めてから、雄介はダグと共に清称寺を辞した。
清称寺から繁華街へ戻り、各々の帰路へ着く頃になって、ダグは俯いたままの雄介へ声を掛けた。
「雄介、ドントウォーリー。時間が経てば状況も変わる。別に、誰かが死んだわけじゃない。僕達は、今出来ることをやれば良いんだ」
「そうだよな……ありがとう、ダグ」
そう感謝を述べると、ダグラスは笑って手を振り、職場へ戻って行った。
メンバーの中で一番歳の近いダグラスは、友人のようでもあり、兄のようでもある。そしてバンドの中ではムードメーカーとして欠かせない存在だ。彼がいてくれて良かったと、雄介は今、心から感謝していた。
「さて、どーすっかな……」
バイトは午後六時からで、向かうにはまだ早い。愛美に連絡を取るか一瞬迷ったが、そんな気分にもなれなかった。
まだ夕暮れ前の繁華街は、活気を見せる夜と違い、行き交う人も幾分少ない。雄介は腕時計を覗き、思い付いたように歩き出した。
通い慣れたガラスのドアは施錠されていなかった。雄介はそのまま中へ入り、地下へ続く階段を下りた。
まだ陽のあるうちに、UGAを訪れたのは久しぶりだ。いつも明るいと感じていた階下は薄暗く、壁じゅうに貼り付けられたポスターやフライヤーが妙にくすんで見えた。
埃とヤニの匂いが残るエントランスへ入り、ホールへのドアに手を掛けると、こちらは施錠されている。雄介はスタッフルームを覗こうかと迷い、足を止めた。いま横田に会って昨夜の様子を訊いたところで、タツが逮捕された事実は変わらないのだ。
「参った、な」
そう口に出せば、またタツへの怒りが沸いてくる。雄介は大きな溜息を吐いてエントランスを戻り、階段を上がろうとした。
「お、雄介くん。来てたのか?」
「横田さん……」
階上を見上げれば、コンビニ袋を携えた横田が、軽い挨拶と共に下りてくる。雄介はエントランスへ戻ると、横田に誘われてスタッフルームへ入った。
「適当に座ってくれ。コーヒーしかないけど良い?」
スタッフルームは狭く、事務机が二つとパソコンや書類、PA機材などが並べられている。雄介は横田から缶コーヒーを受け取り、手近なデスクチェアに座った。それから昨夜の状況を改めて問うと、横田は壁際に置かれた仮眠用のソファへ座り、疲れた表情で口を開いた。
「大体はコウくんに伝えた通りだよ。もう聞いてる?」
「ああ。横田さん、タツが大麻持ってたって?」
「ああ。いや、正確には、持たされたんだ」
「え?」
「昨日、逮捕される前に、タツは古い友達に会ったんだ。相手は偶然みたいな顔してたけど、そのすぐ後に職質かけられたから、もしかしたらマークされてたのかもしれない」
「タツが?」
「いや、その友達だよ」
横田は目をつぶり、癒すように何度かまたたいた。
「じゃあ、タツは悪くないんだろ。何であいつ、ソレ言わねえんだよ?」
「たぶん、友達を庇ったんだろうな」
「庇うって……」
罪を押し付けるような友達など、庇う価値があるのだろうか。疑問に頭を抱えていると、横田がため息を吐いた。
「前に……雄介くん達がライブやり始めた頃くらい、までかな。繁華街の端に、デッドエンドってクラブがあったんだ」
「ああ、一度だけ、入ったことがある」
「え、あそこに?」
驚いた横田に、雄介は笑った。
「俺が喧嘩してボロボロになった時、タツが助けてくれて、裏口から入って顔洗わせてもらった」
そのあと、タツともモメて殴り合いになり、店に置き去りにされ、顔を出したタツの友人に笑われたことは恥かしいので言わなかった。
「へえ、そうだったんだ。一瞬客で入ったのかと思ったよ」
「残念ながら」
「そうか。あそこ、今はもう摘発されてなくなったけど、当時は麻薬関係の売人が出入りしててね。けっこうヤバい噂があったんだ」
「そうなんだ……」
「タツもあそこの常連だったころがあってね。その頃はあいつ、荒れてたなあ」
「へえ……」
「でも、雄介くんと出会って変わったんだよ、タツは」
「そうなんすか?」
「ああ、大切な物が出来て、守る立場になって、ちゃんといろいろ考えるようになったよ」
「へえ……」
横田は一つ溜息を吐くと、缶コーヒーに口を付けた。
サイレントルームが、タツの支えになっている。それは傍にいた雄介もうすうす感じていた。いや、タツだけではない。自分を含め、メンバー全員がバンドを支えにしているだろう。仕事や学業と両立して活動を続けることは、楽しい反面、非常な苦労も伴う。その苦労と引き替えにしても、バンドは続ける価値のあるものだ。
しかしだからこそ、理解に苦しむ。タツは何故、その友人を庇ったのだろうか。
複雑な表情を浮かべる雄介を、横田は遠慮がちに見つめた。
「バンドのみんな、何て言ってる?」
「ぶっちゃけ、コウさんはすごい怒ってました。タツはクビだって」
「だよね。コウくん、そういうところ厳しいからね」
「結局、あいつが出て来るまでは保留になったけど、正直どうなるか……」
「そうか……ゴメンね、俺がいたのに、こんなことになって」
「いや、あのバカが悪いんです。横田さんのせいじゃないっスよ。つうか横田さんも巻き込まれてんだし」
「ああ、まあね。二時間くらいだったけど、留置所に初めて入っちゃった」
「マジっすか、うわ、こっちこそすんません、あのバカのせいで」
雄介が頭を下げると、横田も同じように頭を下げた。束の間なごやかに笑ったあと、横田は深いため息を吐き、正面から雄介を見つめた。
「こんなときに、言うようなことじゃないって判ってるんだけど、お願いがあるんだ」
「何スか?」
「どうかアイツを、辞めさせないで欲しい」
「え?」
「これは部外者の俺が言うようなことじゃないし、どうするかは最終的にメンバーで決めることだ。でも今、アイツがバンドを失ったら、きっとダメになる。だから出来るならアイツを、切らないでやってくれ。頼む、雄介くん」
「横田さん……」
頭を下げた横田を見ながら、雄介は内心驚いていた。飲みに行くほど仲が良いとは知っていたが、横田がここまでタツを心配するとは思わなかった。
二人の間には、自分の知らない絆があるのかもしれない――雄介はそう感じながら、横田を見つめていた。
横田と話した後、雄介は急いでアルバイト先へ向かった。
先に来ていたバイト仲間にあいさつしながらエプロンを纏い、午後六時一分前にタイムカードを押す。それから台車に補充用の商品を積んで売り場へ出ると、ちょうど夕方のタイムセールで混みあっていた。
比較的空いている小麦の棚の補充が終わったころ、ズボンの左ポケットの携帯が着信に震えた。台車の陰で確認すると、父の恭二からだ。バイト中だからと無視していると、二度、三度としつこく鳴らされた。
「ウゼえって、畜生」
そう小さく悪態を吐きながら、バックルームへ入りトイレへ行く。そこで雄介は恭二へ掛け直した。
「もしもし、雄介か?」
「ああ」
「お前、一体何やらかした? 警察から呼ばれてるぞ」
「へ?」
何故自分が呼ばれるのか戸惑う雄介へ、恭二は益々声を荒げた。
「良いか、今すぐ帰って説明しろ!」
「ハァ? 今すぐって、俺まだバイト中だって……」
「黙れバカ! 良いか、今すぐだ。走ってでも飛んででもして、五秒で帰って来い!」
恭二はそう叫ぶと、乱暴に通話を切った。
「五秒なんて無理だっつうの、ああ畜生、バカ親父!」
ただでさえタツに対して腹が立っているのに、横から益々油を注がれた気分だ。雄介はトイレのドアを一発殴り付けると、早退するべく直属のマネージャーを探し始めた。
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