第9話 夜伽

夫婦の営み・・・夜伽


ベアトリスは初めてと言っていたが、信長の夜伽の相手として小姓になった菊も女性とすることを想定していなかった為やり方を知らなかった


「すみません・・・私も初めてでやり方が・・・それにその衣の脱がし方が私には分からず・・・」


そういう菊にベアトリスはスッと立ち上がり一枚一枚服を脱いでいく


長身でスリムなベアトリスの体が露わになっていく


異国人の白い肌に大きな胸、そしてすらりと伸びた細い足


何もつけない状態になったベアトリスを驚き見つめ続ける菊


「アノ・・・」


「あ、あっ・・・どうしました?」


ベアトリスは身をくねらせて恥ずかしそうに


「見つめられると・・・恥ずかしいでス・・・」


「す、すいません!?」


菊はすぐ後ろを向いた


「その・・・とても美しい体です・・・」


「ありがとうございマス!」


すこし嬉しそうな、そしてすこし安心したようなベアトリスの声


「菊サマ・・・」


ベアトリスが菊を後ろから抱きしめる


「私じゃ・・・ダメですカ・・・?」


菊は覚悟を決めた


ベアトリスは菊の為にここまでしてくれた


自分を欲してくれたこの新しき嫁と幸せになりたい


「いえ、ベアトリス。あなたじゃないと、駄目です」


そう言ってベアトリスに振り返る菊


今度は恥ずかしがらない


愛しい妻の体を見れる特権を菊は持っているのだ


ベアトリスはその言葉を聞いて本当に嬉しそうな顔をした


菊も立ち上がり着物を脱いでいった


「あまり大層な物ではないけど、許してくださいね?」


「いえ、菊様が相手なら幸せでス」


最後の一枚を脱ぎ終えた


菊とベアトリスはお互い裸で向き合って座る


妙な緊張をしながらもその空気は幸せが漂っていた


「それではお願いします・・・」


「ハイ・・・こちらこそ、お願いいたしマス」


そう言って口づけをかわす二人


「愛してますよ・・・」


「私もでス・・・」


二人はそのまま押し倒され一つになった


「んっ・・・」


初めてで痛いはずなのに必死に菊を求めるベアトリス


菊はそれに応えるように動いた


信長としかする事がないと思っていた夜伽を数奇な運命で好きな女性としている


自分は百姓の出なのに誰よりも愛してくれるベアトリスと言う人を見つけた


異国人でも関係ない


自分が女の格好をしていても関係ない


織田家とこの愛する人を守らなくては・・・


そのお互いを求める行為は朝方まで終わることは無かった

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