第11話 ポーション作成 1

そして独房に帰ってきて、早速乾燥させてみた。一様日の光は中に入ってくるので、そこに干しておくことにした。と言ってもまだ夜なんだけどね。


夜中だし、他にやることもないので寝ることにした。何気にゲーム内で寝るのは初めてなので少し楽しみでもある。



翌朝、日の光で目が覚めた。


日はまだそこまで高くはなっていなかったが、ふと気になったことがあった。


「そういえば、今何時だ?」


ゲーム内では朝方ではあるが、リアルの時間はわからなかった。


「えーっと、確かリアルで4時に日にちが変わるから、今ゲームで6時だとすると、リアルでも6時くらいになるのかな?……やばいっ!早くログアウトしないと親に怒られる!」


なので、道具はそのままにしてログアウトした。


ログアウトすると、まだ親は起こしに来てはいなかった。


「よ、よかったー」


でも一様時間だけ確認をしておこうと思って時計を見てみると、6時を少し超えていた。でも親が起こしにくるのはだいたい6時半くらいだから、少しだけ余裕があった。


そこまで暇になってしまったが、まあ仕方ない。何もすることはないので居間に行って飯を食べることにした。


いつも通り飯を食べて、いつも通り親が仕事に行くのを待ってそれから再びゲームを再開した。再開したときには8時を過ぎていた。


ログインをしたら、すでに6時間くらい経っていたので、少しだけ乾燥していた。


「まあ、とりあえず作ってみますか」


と始めようと思ったが、器も水もないことに気がつき、道具を回収してから、昨日の店に行く前に、クエストだけやろうと思った。


ギルドに行くとやはり賑わっていたが、受付はそうでもなかった。まあ、昼の時間帯だしな。


いつも通りクロエさんのところに行った。


「あ、零さん。連続で来るなんて珍しいですね。それにこんな時間に」


「まあ、いろいろあるんで」


「その辺は別に気にはしてないです。それで、薬草のクエストでいいですか?」


「はい、薬草のクエストで大丈夫です」


「それでは行ってらっしゃいませ。あ、午後なんで、暗くなる前には帰ってきてくださいね」


「はい、わかりました」


いつもよりは薬草を採らず、50本くらいで中断して帰ってきた。特になにも無く終わった。


精算もあまり採ってきてないのでそこまで600ゴールドにしかならなかった。残金は11300ゴールドになった。


「よし、改めてエルフっ子の店にでも行きますか」


今回は場所は知っていたので、すぐに着くことができた。


前回と同じく、カランカランと言う音とともに入った。


「いらっしゃいませ。あ、昨日のお客さんじゃないですか!昨日は本当にありがとうございました。そのおかげで久しぶりにご飯が食べられました」


「お、おう。それはよかったな」


「はい。あ、そういえば、お客さんって何て名前ですか?私は、マナって言います」


「僕は零です」


「零さんですね。本当に昨日はありがとうございました。それで今日はどうかしましたか?」


「実は、乾燥はさせてみたんですけど、容器も水もないことに気づいたので、どうしようかと聞きにきたしだいです」


「なるほど。なら、うちで作って行きますか?」


「え?いいんですか?」


「ええ、ご飯のお礼もありますからね」


「あれは、MPポーションに対する正当な対価ですので気にする必要はないですよ?」


「それでもです。それに設備の使用料は貰いますので」


「ちゃっかりしていらっしゃる」


「いえいえ、それほどでもありません。それじゃあ、早速つくりますか?」


「はい、よろしくお願いします」


それから、数個作ることに成功したが、すべてが劣化ポーションになってしまった。


「なぜだ」


そんな、つぶやきにマナは。


「おそらく、乾燥が足りないんだと思います」


「やはりそうですか」


「はい、もう少し乾燥させれば普通のポーションにはなりますよ」


「なるほど。ですけど今、この程度に乾燥した薬草しか持ってないですし」


「それなら、終わりにして、更に乾燥させてから、また作りに来るという方法もありますし、このまま作り続けて、劣化ポーション作成のスキルを習得するのも手ではありますけど、どうしますか?」


「それじゃあ、このまま作り続けます」


「わかりました。それでは引き続き頑張ってください」


それから、数十分後には、劣化ポーション作成のスキルを覚えた。


・劣化ポーション作成 レア度1

劣化ポーションを作る過程をMPを10使うことで省略することができる。

劣化ポーションを数回作ることで取得可能。


「覚えました」


「それは、おめでとうございます!それで今日はこの後は、どうしますか?」


「とりあえず帰って、また来ます」


「そうですか。ありがとうございました。それでは料金は100ゴールドです」


「え、そんなに安いんですか?」


「安くはありませんよ?これで私の10食分になりますから」


「いえ、でも、MPポーションと同じ値段ですよ?」


「まあ、MPポーションはかなり貴重ですから」


「な、なるほど。それならいいのか?」


「いいんです。あ、それと乾燥は約1日くらいやってないとできませんから」


「わかりました。それではまた来ますね。ありがとうございました」


「いやいや、こっちの方がありがとうございましたですよ」


そう言って、僕は独房に帰ってきた。今回もまた、同じ部屋が取れたのでよかった。


そして、乾燥させるようにセットしてからログアウトした。


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