第193話 3人でダンジョン 11
ポーションを惜しみなく使いながら進み、僕たちはようやく最終層まで到達した。
ダンジョンの最終層にはボスモンスターがいる。ここのボスモンスターは、よくわからなかった。2足歩行のモンスターなのだが、それ以上どう表現すれば良いのかわからなかった。
ボスのため、今までの道中よりも苦戦するだろうと思っていたが、あまりにあっさりと倒してしまい、拍子抜けしてしまった。それは結もヨタも同じようだった。ポーションもほとんど使わずに終わってしまった。
早く終わったことは良かったが、本当に僕が足手まといだったのではないかと不安になってくる。ポーションを合計で100個以上は使っているが、上層で時間もポーションも無駄に使ってしまっているため、それがなければやっぱり僕はいらなかったのでは?と考えてしまう。
まあ、ポーションが100個も使っているから、そんなことはないと信じたい。
帰りは来た道ではなく、休憩所にもあった一瞬で外に移動できる魔法陣的なものがあり、帰りは問題なかった。
外に出ると、暗くなってきていた。
「この後は何かやるのか?」
僕は、この後も何かやるのか気になり、そう聞いた。そろそろログアウトしなければならない時間になっていたからだ。リアルでは、18時くらいだ。何時間やっていたかはわからないが、結構な時間入っていた。ゲーム内では約2日ほど入っていたことになる。
そのことで、一つまずい事を思い出してしまった。でも、もうどうしようもないので、諦めることにした。もしかしたら、僕の考えている通りにはならないかもしれない、と考え、現実から目を逸らした。
「いや、これ以上はやるのはやめておくよ。さすがに疲れたし」
「そうだね。私もこの後はゆっくり休みたいかな」
やはり、2人も疲れているようで、これ以上続けるつもりはないようで安心した。僕もこれ以上付き合うのは、たいへんだったし。
「なら、街まで戻ってログアウトするか」
そうして、僕たちは街まで戻っていった。
街に戻ると結とヨタとは別れた。
僕もすぐにログアウトしたかったが、まだやることが残っていたため、僕はその目的の場所へ向かった。
目的の場所はもちろんギルドである。
1日来てないため、いつものようにクロエさんに怒られるだろう。今日、無理に行かないで明日にしても良かった。でもそうしたら、今日以上に怖くなりそうなので、今日のうちに行っておきたかった。
行ってみると、意外にも心配されていた。1日程度で思ったが、怒られないことを安心した。
しかし、世の中そんな甘いわけがない。クロエさんが落ち着くと、思い出したのように僕のことを叱りだした。ポーションが足りなくてどれだけ大変だったのか、来ないことをどれだけ心配したかなど、僕はしばらくの間クロエさんに拘束され、叱られ続けた。途中、愚痴も混ざっていた。
解放されたときには、もうあたりは暗くなっていた。ようやく解放されたが、僕にはクロエさんの話の中に気になることがあった。
それは、僕の店が開いてないみたいなことを言っていたのだ。でも確認はしてないみたいで、クロエさんも聞いただけだと言っていた。
僕はそのことで、少しでも早く確認したかった。何かあったのか、心配になった。何もなければ良いが、もし、何者かに襲われていたらと思うと、居ても立っても居られなかった。
店に着くとすぐに中の様子を確認した。中は特に荒らされているとかそんなことはなく、いつもと変わらなかった。そのことで心配は少し和らいだ。
僕は気が抜けて、その場で休んでいるとあずさとあすかさんが来た。2人も僕のことを心配しているようだった。
ただ僕は、なんで店を開かなかったのか、気になっていたので、聞いた。
なんでもポーションが足りず、開けなかったとのことだった。
僕が原因であることを知り、全力で謝った。まあ、2人からは謝る必要はないと言われてしまったんですけどね。
それから、これからそんなことがないように気をつけると2人に約束した。
そして、ようやくログアウトすることができた。でも、今まで以上に縛られるようになったことも事実であった。
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