第184話 3人でダンジョン 2
しばらく雑談をしながら、目的地に向けて歩いていた。
「そう言えば、ずっと2人でだけでやってたのか?」
僕は、単純にそれが気になったので聞いてみた。今日まで2人ら僕に頼らないでやってたが、僕以外には協力を求めなていたかもしれないからだ。
別に、はぶられているかもしれない、と考えてはいない。
「いや、同じくらいに始めた人と協力したことは何度かあるよ」
僕の問いにヨタが答えた。
「へえ、そうなんだ」
「2人だときついところがあって協力を求めたり、協力して欲しいって頼まれたりしたからな」
「始めたばかりで、協力して欲しいなんて頼まれるのかよ」
それは単純な疑問だった。最初からやっている人とかレベルの高い人に協力を求めるのはわかるが、数日前に始めた初心者に頼むのは、ちょっとわからなかった。
まあ、数を集めるためだったのかもしれないから、完全に否定はできないけど。
「まあ、それなりにやってるからな、頼られるのも当然だろ」
「それなりって、こっちで半月程度だろ」
「確かにそうだけど」
僕の聞きたかった答えとはちょっとだけ違っているように感じた。でも別に気にするようなことでもないと思い、深く聞くことはなかった。
それに「それなり」にやり込んでいるらしいので、こんなことを聞いてみた。
「そう言えば、レベルはどのくらいになったんだ?」
「レベル?俺はまだ150になったくらいかな?」
「?!?!」
僕のは、ヨタのレベルの高さに驚いた。しかし、大きな声を出すわけにはいかなかったので、必死で堪えた。
確かにそういうことなら、それなりにやり込んでいると言ってもおかしいところはなかった。やり込み方はおかしいけどね!
「結はどのくらいだっけ?」
僕がまだ心を落ち着けられていないうちにヨタは結にも聞こうとしていた。
「私は、まだ100くらいだよ」
「?!?!」
結もかなりレベルが上がっていた。
僕は2人の早過ぎる成長速度に驚いた。しかし、ここで驚きを表に出したら、いけないように感じ必死に堪えた。
ヨタはすでに僕のレベルを超えていた。そのことに気づき、自分のレベルは絶対に言えないなと思った。自分のレベルの低さが恥ずかしかった。
ヨタは、僕に迷惑をかけるからといろいろと誘うのを躊躇っていたようだが、レベルだけを見ると同じくらいだから迷惑なことはないと思った。でも自分の本当のレベルは言えないので、申し訳なく感じた。
「ん?どうかしたか?」
僕は顔を隠すことで、なんとかバレないようにしていたが、ヨタにはそれが気になったようだった。
僕はなんとか心を落ち着かせ、顔を上げた。
「いや、なんでもないよ」
僕は変にならず、答えることができた。
「それなら良いけど」
ヨタが何か疑っているようにも思えたが、聞いてこないので、大丈夫だと思った。
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