第182話 待ち合わせ

それから、ゲーム内で数日が過ぎ、僕はいつもと違う場所にいた。違うと言っても、ほとんど店とギルドにしかいないため、だいたいの場合、違う場所ということになってしまうけど。


まあ、今日もギルドの前にいるから、いつもと見ている風景というものは変わらない。それにギルドの前に来ること自体は、いつもと変わらない。


今日は、いつもと違いギルドの前で待ち合わせをしているのだ。普段、店でポーションを作っているか、ギルドでポーションを売っていることくらいしかしていない僕にしては珍しいことだった。


待ち合わせをしている相手は、結とヨタだ。少し前に2人から、行きたい所があるからついてきてほしいと誘われたのだ。そう誘われたのは初めてだった。


最初の時以来、手伝ってほしいと言われなかったのだ。そのため僕から誘うということはなかった。だから、今日まで2人を手伝わなかったのは、僕が悪いわけではない。


僕はそう思い、自分を正当化しようとしていた。


ゲーム内では、結たちが始めてからもう半月程が過ぎていた。その間、一回も声をかけられなかったと言うのも寂しい。まあ、初心者だから、僕に迷惑をかけないように、手伝ってなどと声をかけなかったのだろうと思うことにした。


むしろ、今更なぜ、誘われたのかそっちの方がわからなかった。迷惑をかけないようにしてるのなら、半月ほどで実力が追いつけるなんて思ってないだろうし。まあ、僕の想像でしかないから、それが本当かどうかはわからない。


どこに連れて行かれるのかもわからないため、少し不安でもある。


ただ、早く来すぎてしまったため、まだ時間には余裕がある。とはいえ、一度店に帰るのは嫌だし、ギルドに行ってポーションを売るには時間が足りない。そのため、久しぶりにステータスでも確認しておこうと思った。まあ、ほとんどモンスターを倒したりしてないので、レベルは上がってないだろうけど。



Name 零 Level 141

ランク S

所持金 411,173,000

Job 調合師

HP 1

MP 68,283,300

攻撃 0

防御 0

魔攻 0

魔防 0

俊敏 1,410,000,000

スキル

・レア度1

鑑定、劣化ポーション作成、乾燥、

ポーション作成

・レア度2

瞬歩(Lv10)

MP回復速度上昇(Lv10)

アイテムボックス(Lv10)

槍術(Lv1)

盾術(Lv1)

・レア度3

MP上昇(超絶大)、物理系ステータス上昇(絶大)、魔法系ステータス上昇(絶大)、攻撃系ステータス上昇(絶大)、防御系ステータス上昇(絶大)、俊敏ステータス上昇(超絶大)、不死、空間魔法、テレポート、高速処理

ユニークスキル

複製魔法



思った通り、あまり変わっていなかった。まあ、それでも増え続けている所持金と伸び続けているMPは相変わらずだった。


僕は、自分のアンバランスなステータスを見て改めておかしいと思わずにはいられなかった。

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