第158話 師匠? 10

いろいろとあり、長く感じた会話も終わり、ようやく話が進んだ。


僕たちは、僕の部屋へと行き、ステータスについて話し始めた。


「それでどんな感じにすれば良いんだ?」


ヨタがいきなり僕に答えを求めてきた。そんなこと言われても、僕自身、何が正しいかはわからない。


「そうだなぁ、ヨタの場合は攻撃にほとんど割り振れば良いと思う」


「ほとんどなら、やっぱり他のステータスいらなくね?」


「そういうわけにもいかないよ。0のステータスはできるだけ作らない方が良いからな。まあ、魔攻は0でも良いとは思うけど」


「やっぱり、ダメなのか。なら、攻撃以外をどのくらいにすれば良いんだ?」


「それくらいは、自分で考えろよ」


「教えてくれたって良いだろ」


と、ヨタがしつこく聞いてきそうだったため、少しだけ答えることにした。テキトーなことは言えないので、無難なステータスを言っておくことにした。


「それなら、攻撃を5万にして、余ったのを均等に振り分ければ良いかな」


「なんで5万なんだ?」


「それは、攻撃はそれだけあれば、十分なのと、他のステータスによる恩恵をある程度は受けられるように、だ」


「恩恵?」


恩恵という言葉がよくわからなかったのが、ヨタは聞き返してきた。


「恩恵っていうのは、ステータスがある基準を超えることで、得られるスキルことだよ。まあ、ステータスを上昇させるのが多いけど。というか、お前も増えてるだろ」


僕がそう言うと、ヨタはすぐにステータスを確認していた。


「ホントだ!いろんなスキルを持ってた!」


「まあ、それが恩恵だよ。だから、ある程度は他のステータスも上げておいた方が良いんだよ」


しかし、ヨタは、自分のステータスの確認が忙しいのか、僕の話は聞いていないようだった。そのため、僕は静かに話を聞いていた結と話すことにした。


「結は何か聞きたいこととかはないのか?」


「うーん、じゃあ、私の場合はどうしたら良い?」


「じゃあってテキトーだな。まあ、そうだな、魔攻を中心にするか、今みたいにバランス良くするかのどちらかだな」


僕として、縛魔法がどんなスキルかわからないため、魔攻を中心にするのはダメだと感じ、バランス良くするのも良いと思ったのだ。まあ、最後に決めるの結自身のため、そこまででしゃばったりはしない。


「零はどっちの方が良いって考えているの?」


「僕としては、とりあえずはバランス良くしておいて、その縛魔法がどんなものか知ることからやるかな」


「そうなんだ」


「ああ、どんなスキルかわからないからな。ヨタくらいはっきりしていると楽なんだけどね」


でもあそこまで極端なのも考えものだけど。


「それなら、このままで良いかな。後からも変えることはできるんでしょ?」


「まあ、いつでも変えることはできるよ」


「じゃあ、私はこれで決定かな」


「で、結局俺はどうすれば良いんだ?」


「ヨタの場合は、攻撃に5万、他均等にするのが僕はベストだと思うけど、最悪、他のステータスは1さえあれば良いから、攻撃をほぼマックスにしても良いと思うぞ」


でもなんとなく、ヨタが僕の言葉をそのまま受け入れるとは思えなかった。そのため、攻撃に極限まで高くする場合も言った。


「それなら、攻撃に5万、他に1万ずつすれば良いかな」


「え?」


「え、ってなんだよ。文句でもあるのかよ。お前が言ったことだぞ?」


「いや、文句があるわけじゃないけど、ヨタが僕の言葉を受け入れると思わなかったから」


僕は、ヨタが自分の好きなようにすると思っていたため、意外だった。


「俺をなんだと思ってるんだよ」


「え?頑固者?」


「疑問形なのは突っ込まないが、頑固者とは失礼だな」


「だって、絶対自分の意見を通すと思ってたから」


「俺だってそこまでバカじゃないよ!先人の言葉くらいはちゃんと聞くよ。まあ、正直、今のままのステータスが良いけど」


「まあ、そのままでも良いけど、大変になるぞ?」


「お前がそうやって脅してくるから、心配になったから、お前の言う通りにするんだよ」


と、なんか僕が無理やり強要したみたいになっていた。でも僕としてはそれが一番良いと思っているから、強要されたと言われても問題ない。


それから、一旦全員ログアウトすることにした。リアルでは18時くらいだからということとヨタがステータスを変えるためだ。


その後、リアルで21時過ぎに再びログインすることを決め、ログアウトした。













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