第127話 特訓 5

さらに数日の日が流れた。


その間に、連続テレポートは段々と形になってきた。どれほどかというと、木を1本切れるようになったくらいだ。まあ、切断面がグチャグチャで実戦で使えたモノじゃないけど。それに、1本切るのにも1分以上かかっているのが、現状だ。


これも何とかして早くできるようにならなければならない。


それとは話が変わるが、今日は7月22日の金曜日だ。時刻は午後8時を過ぎたくらいだ。ちなみに期末のテストは、7月25日から7月27日までの3日間だ。


何を言いたいかというと、この週末、勉強に時間を費やすか、それとも、ゲームをして過ごすかだ。勉強自体は、毎日少しずつやっていたため、テスト自体そこまで不安ではない。しかし、勉強をしてるっていう体を見せないと、親が怒りそうなのだ。中間テストの時は、勉強を優先したよ。特にやるべきこともなかったしね。


でも、今回は違う。ゲームでやりたいことができてしまったからだ。


そのため、迷っているのだ。別に、適度にやればいいんだろうけど、それだとしたいことが終わるかわからない。それにテスト期間中は普段よりよ早く帰ることができるので、その時間もゲームにあてたいというのが本音だ。


それに今も、考えているのがもったいないってことで、ゲームにログインしているくらいだし。


まあ、考えるのも仕方ないし、今回は怒られることを覚悟して、ゲームをしますかね。


結局、ゲームをするっていうことに意見が固まり、特訓を開始した。


開始したといっても、やること今までと同じなんだけどね。まあ、なんとかして早く、というか、振り抜くスピードで切れないといけないんだけど。なんでそこまで遅いのか、というと、単純に振り抜く途中で止まってしまうからだ。この止まることを無くさない限り、できることはないと思う。


それから、僕はやりながらどうやればできるのかを考えていた。




そして、やっていくうちにある考えが出た。


僕は、この連続テレポートをする時、ロングソードを前へ前へとテレポートさせている。そのため、途中で止まったり、手から離れてしまうということが発生している。


そこで考えたのが、1回テレポートするごとに元の握っている形に戻すという方法だ。この方法だと、今まで以上にMPの消費が激しいが仕方ない。こうすれば、今ある問題を全て解決できるはずだ。


今までは、もっと早く振り抜けばできると考え、その方向性でやってきた。しかし、今思い返してみるとそれじゃあ絶対できなかったなと思えた。圧倒的に、振り抜くスピードよりテレポートの方が早いのだから。


ということで、早速やってみたのはいいのだが、今までよりも仕事量が増えたため、益々まっすぐ切れなくなってしまった。それだけではなく、元の位置に戻すのが結構難しい。


その後、苦戦しながらも、少しずつできるようになってはきた。しかし、月末までにできるかは、わからない。まあ、できなかった時は、その時考えればいいさ。


僕は、そう安易に考えていた。


その日は、最初全てを的外れな方法を練習して無駄に使ってしまったため、最後少しだけできたといった感じで、あまりできなかった。


が、そろそろやめなければならないと思い、今日の特訓はここまでにして、ログアウトした。






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