第126話 特訓 4
まっすぐ切れるように練習をし始め、数日が過ぎた。
今日も、いつもようにログインしようとしたら、定期連絡用となっている白い空間に出た。
そこで、今月も魔王討伐イベントがあることや、その他小さい不具合の修正や、新しいダンジョンの追加などが発表された。しかし、僕にとっては、魔王討伐イベントくらいしかやろうと思うものがなかった。今も、その魔王討伐イベントの対策として、新しい攻撃方法を使っているわけですし。
そんなわけで、特に有益な情報はなかった。魔王討伐イベントもいつも通りの内容で開催するみたいだし、変わったことがないなら、気にするようなこともない。
それより、今は新しい攻撃方法をなんとか完成させなければならない。それに、学期末のテストもそろそろ始まるわけで、そっちのことも考えて、ログイン時間を減らす必要もあるかもしれない。だから、尚更真剣に取り組まないと魔王討伐イベントに間に合わないし、もしかしたら、結と誠が始めるまでに間に合わないかもしれない。それだけはなんとかして避けたい。
ということで、ログインしたら、すぐにギルドでのすることを済ませ、いつもの森に向かった。クロエさんも僕が急いでいることに気づいたのか、引き止めたりすることはなかった。
ここ数日で、連続テレポートを使った攻撃方法について、少しずつではあるが、できるようになってきた。
まず、まっすぐ切ることは丁寧にやればできるようにはなった。しかし、少しでも気を抜くと断面はグチャグチャになってしまう。
でも、まっすぐ切れるようになったから、これからは、勢いをつけてできるようにしていく。
しかし、これがやはり難しく、なかなかうまくできない。振りながらやるとどうしても、木に当たる直前でテレポートができず、木にぶつかってしまう。そのせいで、せっかくの勢いがなくなってしまい、思った通りにできない。
かと言って、木にぶつからないように早くテレポートを使うと、今度は手に食い込まなかったり、木に食い込まなかったりでうまくいかない。
そんなわけで、1回目のテレポートすら、うまくできない状態だ。
それから、何度も繰り返しやった。
そして、ログアウトする頃には何とかコツを掴むことができたため、1回目だけなら、うまくできるようになった。しかし、2回目以降はなかなかうまくできない。
うまくできると嬉しくて2回目のテレポートをするのを忘れてしまい、そこで勢いがなくなってしまい失敗することがほとんどだった。2回目のテレポートができたとしても、手にうまく食い込まなかったりでそれ以降が続かない。それにまっすぐテレポートすることもできなかった。
この日は、勢いをつけて1回目のテレポートができたということで、やめることにした。
僕は、散らばった木をアイテムボックスにしまい、店にテレポートを使い戻り、ログアウトした。
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