第123話 問題 1
特訓で嫌なことに気づいた翌日、僕は腹をくくり、体に穴が空くことを覚悟して、特訓を再開することを決めた。
でも、特訓を開始する前にちゃんとギルドに寄り、ポーションを売ることは忘れない。そうしないとクロエさんはまた怒られてしまうからだ。
ギルドに行った後、僕は店の方に帰った。店を開くために帰ったのではなく、考えなければならないことができたからだ。
まずは、店についてだ。
店をオープンしたにも関わらず、ほとんど開けることがないため、今まで通りギルドに売って得ているお金の方が多い。さすがに大金を出して良い立地の家を買ったのに、使わないのはもったいない。だから、店について何か対策を考えなければならない、と思ってはいるが、なかなか良いアイデア出ないから放置気味である。
店については、自分が損をしただけなので、そこまで問題でもない。しかし、次の問題が少し考えなければならないのだ。
その問題が、ヒールストーンスライムについてだ。
ヒールストーンスライムは、今、地下室に閉じ込めている状態だ。閉じ込めてたわけではないが、そう言い表すのが一番納得いったから、その言葉を使った。
じゃあ、何が問題か。
それは、僕に敵対してるのではないか?という問題だ。そのため怖くて見に行くことができない。不死とは言え、体力を奪われたらどうなるかはわからない。もしかしたら、死ぬかもしれないからだ。でも僕が死ぬことはそこまで問題ではない。問題なのはその後、街に出て行き、人を襲うということだ。こちらはさすがにまずいと思うのだ。
でも最初は閉じ込めているとは考えてなく、人目につかないようにしたこと、勝手に街に出ないようにしたかっただけだ。
それに閉じ込めたというより、地下室に行かなくなったことが原因だったりする。基本的に新しくポーションを作ったりする場合は、地下室でやっているのだが、店を経営することで頭がいっぱいになっていたため、新しくポーションを作るということがなかったのだ。
スライムのことに気づいた時には数日の時間が流れていて、これって軟禁では無いのか?と考えるようになったのだ。
相手はスライムだから、そんなことにはならないのだろうが、スライム自身がこのことを敵対したと判断した場合、開けた瞬間襲われるかもしれないのだ。
そう考えたら、ますます地下室に行けなくなってしまっている。ただ、これ以上放っておくのは危険だと考えたため、地下室に行くことを決めた。
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