第121話 特訓 1

翌日から、少ないが人が来始めた。それと同時にまた勧誘が始まってしまった。でもほかの客が居るってことを伝えると、引いてくれるのでまだ大丈夫だ。


それでも勧誘は嫌なので、何か対策を考えないといけない。


今はまだ対策がないため、とりあえず店を閉めて、フィールドに行こうと思う。それにやらなければいけないこともあるし。


というわけで、僕は特にクエストを受けずにフィールドに行った。行き先は人の目があまりなく、木もたくさんある森だ。木のあるところに行くのは、やらなければならないことに使うためだ。


それで、やらなければならないことというのは、僕の戦闘スタイルについてだ。


結と誠がやり始めたら、アドバイスしなければならないのに、攻撃方法が突進とテレポートによる攻撃というのは、さすがにダメだと思う。それに、テレポートによる攻撃方法は結と誠にもあまり知られたくない。そのため、新しい攻撃方法をできるようになった方が良いと思ったのだ。


それで考えた攻撃方法が、刀みたいな剣を使い、連続的にテレポートをして斬っているように見せるというもなのだ。


そこで使うのが木というわけだ。ちなみに、剣は既に買ってある。本当は刀でやりたかったけど、売ってなかったため、代用としてロングソードを買っておいた。ロングソードなら刀にも近いから僕のイメージに合っていると思ったからだ。


それに今回は、今まで買ってきた槍や大盾とは違い持てない重さでもないため、簡単に買うことができた。


森に行くまでも、誰かについてこられることも考えて、テレポートを多用して移動をした。そして、森の奥まで行き、辺りに誰もいないことを確認した後、特訓を開始した。


特訓は、まず木の外側にロングソードをテレポートさせる。イメージとしては、斧で木を切る感じだ。振りかぶり切り込みを入れず、テレポートで切り込みを入れていく感じだ。そうやって木を切り倒すということだ。


この一連の動作を早くしていくことで剣で斬っているように見えるのではないか、ということだ。


とりあえず始めてみたが、うまく真っ直ぐ切ることができない。同じ角度にテレポートはできないし、入れてきた切り込みとはズレた位置にテレポートさせることもあり、切断面がグチャグチャになってしまっている。


その後、何度もやったが、うまく切断することはできなかった。


こうして、特訓1日目は終了した。








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