第118話 開業 8
スライム水のことは一旦終わりにして、開業に向けて作業を再開した。
と言っても、まずは調度品を買いに行かなければならない。
まあ、売り物は少ないから、棚と台だけあれば、充分だと思う。
それに店の面積もそこまで広いわけじゃないから、店内に商品を並べてしまうと狭くなってしまいそうなのだ。
もしかしたら、棚は必要じゃないかもしれない。でも一応買っては行こうと思う。二度手間になってもう一度買いに行くのは嫌だからね。
いろんな店を回り、棚と台、それから机も買って帰った。机は地下室にでも置いておこうかと思って買ったものだ。
買ったものはすべてその役割しか果たさないようなシンプルな造りのものを買った。僕の感性がそこまで良くないから、洒落たものが買えないから、無難なものにしただけのことだ。それにそこまで広くないから、買えるものもすくないんだよね。
とりあえず、必要最低限のものだけは買うことができたし、帰って置いてみることにした。
開業すると決めてからもう既に結構な日時が過ぎているし、そろそろ店を開かなければならないと思う。別に宣伝とかしてるわけでもないから、なかったことにもできる。いろいろとめんどくさいこともわかってきたし。
やるからにはしっかりとしたい。だから少しでも早く店を開きたいという気持ちがあるのだ。一度決めたことだし、最後までやってみようと思っているのだ。
それから店へと帰り、買ったものを並べてながら、あーでもないこーでもないと配置に困るほど買ってないので、すぐに配置作業は終わった。
後は商品さえあれば、店としてある程度は体をなせるはずだ。値段とかも一応決めてあるし、看板は……なくても何とかなるだろう。ポーション屋って彫った木材でもドアのところにかけておけばいいだろう。でかでかと目立つようにする必要はない。
つまり、また買い物に出なければならないということだった。木材とヒモがあれば何とかなると思うので、それを買いに僕は再び街にくり出した。
そんなに時間も掛からずに木材とヒモを買ってきた。
それでどうやって彫るかだが、簡単だ。小さい鉄板をテレポートを駆使して、文字を造り、それを別の木材にへとテレポートさせて彫るというものだ。後はポーションの絵も同じように付けておく。文字はゲーム内で使われている文字を使う。ポーションなら何度も見たことがあるからもう覚えているし、何の問題もない。
最後に木材の形を少し工夫して、ヒモを通し完成だ。
それをドアのところにつけるのは、店を開いてからだからまだしまっておく。
店が開けそうで、少し安心した。そして、僕は店内を見回した。
見回して気づいたことが1つだけあった。それもかなり重大なことだ。それは店らしくないということだ。見回して気づいたのだが、何にもなさ過ぎて店に見えないのだ。多少ポーションを並べたりしたところで店には見えないと感じた。
他の店などはいろんな雑貨とか乱雑並べておくだけで何となくそれっぽく見えたりするものだ。
しかし、ポーションだけとなると乱雑には置けないし、きっちり並べれば、それはそれで何か淋しい気がする。そもそもきっちり並べれば、空間がかなりあまりそうな感じなんだよな。物も少ないし。
屋台とか見てもわかるけど、ところ狭しと物が並んでいると、店って感じがするけど、少ないと店見えないと思うのだ。何かポスターみたいのでもあれば違うんだけど、そういうものはないし。
と、開店間際で新たな問題がわかってしまい、もうしばらくは店を開けそうにないなと感じた。
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