第117話 開業 7
スライム水は、とりあえず飲み物ではないということが決まり、僕はなんでスライム水ができたのか考えてみた。
考えられるのは、スライムを浸け過ぎたこととそもそもポーションなんて作れないということだ。
後者の場合、さすがに運営がそんなできないことを記載するとは思えないので、前者である可能性が高い。しかし、1日で浸け過ぎっていうのはおかしい気がする。
ここら辺もしっかり確認しておかなければなと思った。
これからのことを考えていたら、コンコンとドアをノックする音が聞こえた。
まだ店を開いてもないし、誰かが来るっていうのも聞いてない。というか、外にすら最近出てないから、そんな約束なんてしていない。
怪しみながらもドアを開けた。訪ねて来ていたのは笑顔のクロエさんだった。知っている人だったことに安堵した。でもクロエさんの雰囲気が少し変なことに気づいた。というか、怒っているようだった。
「クロエさん、訪ねて来て、どうかしましたか?」
「どうかしましたかって、零さんがなかなかギルドに顔を見せに来ませんし、それにお店の方も始まりませんし、心配して昨日来てみれば、零さんはいませんし、どれだけ私を心配させるんですか!」
「いやぁ、いろいろと大変でしたので」
まさか昨日来ているとは思わなかった。僕が気づいてないということは、僕がログアウトした後に来たと思われる。しかし、ログアウトしてましたなんて言っても仕方ないので、ごまかすしかないのだ。
「はぁ、まあ特に何事もなかったので良いですけど」
「クロエさん、用はそれだけですか?」
「いえ、それだけじゃありません。零さん早くギルドの方に来てください、ということを伝えに来ました」
「わかりました。近いうちに行きますね」
「今日はそれを伝えに来たので、そろそろ帰りますね」
そう言い、クロエさんはギルドの方に帰って行った。
後日ギルドに行ったが、そこでクロエさんに遅いと言われ怒られてしまった。
いろいろ、特にスライム水について調べていたら、行くことをすっかり忘れていたのだ。
でも、いろいろとわかったことがある。
まず、ヒールストーンスライムを1時間ほど浸けておいたら確かにポーションはできた。しかし、できたのは劣化ポーションだった。
それから何度か浸ける時間を変えてみたところ、20時間以上浸けておくとスライム水になることがわかった。それとスライム水になるギリギリまで浸けておくと、10%回復のハイポーションになることもわかった。
クロエさんを怒らせる結果になったが、いろんな収穫もあった。
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