第114話 開業 4

物件を購入してからいろんな準備に追われていた。しかし、その間も勧誘されたりするから、めんどくさい。でも前よりはしつこく勧誘するやつはいなくなったから良かった。


これって、店をやり始めるからかな?


もしそうなら、ジジイのことを見直さなければならないんだけど、どうなんだろ?


まあ、そんなことを考えていても仕方ないので、今はやるべきことをやるだけだ。


今、やるべきことは店を営業できる状態にすることだ。そのために準備を進めているのだ。いちいちジジイのことなぞ考えている暇などないのだ。


しかし、やることが多すぎてなかなか進まない。そのため、時々、息抜きのために新しいポーションを試作している。


いろいろ試作を重ねているが、ジジイのところで作っていた時と変わらず、なかなか進展はない。


ポーションとか楽だろうと思っていたが、性能を高めるにはかなりシビアであり、それを調整するのが大変なのだ。ジジイは、レシピすら残さず、テキトウに作ったとか言うから、ほんと使えないジジイだと思ったよ。


まあ、そんなわけで、ポーションの試作と開店の準備を同時に進めているところなのだ。




しかし、そんな生活を数日続けた結果、何の成果もでないことにいらだち、ポーションの試作を諦め、ハイポーションの試作へと移っていた。


違うことをやるのも重要だからな。


そんなことを自分に言い聞かせながら。


こちらもポーションと同じく、なかなか進展しなかったが、ある日、ダメ元で試してみようと思ったことがあった。


それが、スライムの核を多く入れればどうなるのか?というものだ。


ポーション1つにつき1個の核を入れることで、ハイポーションになる。なら、それを多く入れたらどうなるのか?という考えから、思いついたのだ。


スライムの核など、商店で有り余るほど売っている。そのため、気兼ねなく使える。どうせ、お金も有り余っているわけですし。


とりあえず、2つ分のスライムの核を砕き、粉状になるまですり潰してから、ポーションにそれを加えた。


そして、できたハイポーション?を鑑定してみた。



・ハイポーション レア度1

飲んだり、患部にかけたりして使用する。

HPを15%だけ回復する。



あ、上がったぁぁぁ?!


マジか?!こんな簡単に上がるのかよ!何だよ今までやってきた苦労は!


まあ、ポーションの場合はどうすればいいかわからないから、仕方ない。


これで、やることが見えてきた気がする。まず、スライムの核を大量にポーションに投入して、ハイポーションの性能を上げることだ。


そう思い、スライムの核をすり潰そうとして、考え直したことがあった。


それは、何個使えば、マックスまで上がるのか?ということだ。よくあるのが、性能を上げていくほど、消費するアイテムの数が増えるということだ。つまり、単純計算、19個のスライムの核を使えば、マックスになるとは、限らないということだ。


そのことに気づいた僕は、とりあえずたくさん使えばいいだろうの精神で、持ち合わせていた約200個のスライムの核の内の100個を使い、ハイポーションを作ることにした。




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