第109話 準備 9
僕が帰る間際、ジジィがこんなことを言ってきた。
「そう言えば、お主の店はどこにあるんだ?」
「店なんて持ってないけど?」
「え?じゃあ、お主はそれを自分で使うために作っているのか?」
「そんなわけないだろ。売るために作っているんだよ」
「もしかして、路上販売か?」
「いや、ギルドに委託販売をしてる」
そう言うとジジィは顔の色を変えて言ってきた。
「お主なんて無駄なことをしてるんだ!それじゃあ、ほとんどぼったくられてるようなもんじゃ!」
「ん?別に構わないけど?」
「なんでじゃ!お主は利益はいらないのか!?」
「いや、今でも充分過ぎるほど儲かっているから問題ないんだよ。それにお金なら、有り余っているし」
「は?何言ってるんじゃ?こんだけ試作をしてれば、すぐに金なんてなくなるだろ?」
ジジィはありえないとでもいいたげな表情だった。
「だって、全部自分で採ってきてますから、タダですよ?」
「採って来れる量を超えているんじゃよ!お主、ここに来始めてから、何本作っていると思っているんじゃ!」
「うーんと、1000本くらい?」
「そんだけ作るに、どれだけ必要だと思っているんじゃ!」
「いやいや、1000本って少ないから」
普段から10万とか作っているから、1000本なんて全然多いと思えないのだ。
「お主、感覚おかしいんじゃよ。というか、そうじゃなくて」
「違くていいのかよ?」
「よくはないが、それよりも店は持っておいた方がいいぞ」
「そうなのか?でも経営するのって大変じゃないか?それなら、ぼったくられてもいいからギルドに売った方がいいような気がする」
「そうじゃな。確かにそうなのじゃが……それでもじゃ、とりあえずは店を持っておいた方がいいんじゃよ。それに店だけとしてじゃなくても、作業場とかにもできるし、自宅にもできるじゃろ」
確かにそうだな。それに、自宅というのはいいかもしれない。ずっと宿を取っているわけだし。それに今、有り余っているお金を一気に使ういい機会かもしれないし。
「わかった。探してみるよ」
それからもう少しだけポーションを作った後、宿に帰った。
物件を買うにあたって持ち金がどれくらいあるか確認しておく必要があると思い、長らく確認してなかったステータスを確認した。
Name 零 Level 126
ランク S
所持金 329,234,130
Job 調合師
HP 1
MP 9,356,300
攻撃 0
防御 0
魔攻 0
魔防 0
俊敏 1,260,000,000
スキル
・レア度1
鑑定、劣化ポーション作成、乾燥、
ポーション作成
・レア度2
瞬歩(Lv10)
MP回復速度上昇(Lv10)
アイテムボックス(Lv10)
槍術(Lv1)
盾術(Lv1)
・レア度3
MP上昇(超絶大)、物理系ステータス上昇(絶大)、魔法系ステータス上昇(絶大)、攻撃系ステータス上昇(絶大)、防御系ステータス上昇(絶大)、俊敏ステータス上昇(超絶大)、不死、空間魔法、テレポート、高速処理
ユニークスキル
複製魔法
3億ゴールド、つまり30枚の大白金貨があるわけか。まあ、これだけあれば、買えないものはないな。
まあ、ステータスがおかしいのはいつものことだから、気にしないことにした。
レベルの上限解放は僕が魔王を倒した時に解放されていたらしい。そこらへんは、ゲーム内ではなく、ホームページでの発表だったからだ。ちなみに報酬はもらったが、俺には必要のない、というか使えないものだった。嫌がらせにしか思えない。
それと解放時期を考えると、あまりレベルは上がってないなと思った。まあ、ずっと逃げたり、ポーションを作っていれば、レベルも上がらないか。
そして今度こそ、僕はログアウトをした。
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