第106話 準備 6

ポーションの試行錯誤から数日が過ぎ、魔王討伐のイベントが始まった。しかし、僕は魔王討伐には向かわず、ポーションを作っていた。


進捗としては、回復量10%までできた。


でもまだまだ15%までは遠い。



それから、没頭していたため、時間も忘れていた。気づくと、外は暗くなっていた。そろそろログアウトしようと、ジジィに一言かけた。それから、街までテレポートをして宿を取り、ログアウトした。


さすがにジジィに迷惑になるから、ジジィの家で寝泊まりはしない。




ログアウトすると、すでに午前2時を過ぎていた。これはまずいと思い、すぐに寝た。


おそらく、明日は眠くてまた授業に集中できないな、と思った。こういうことは気をつけないといけないのに、本当に学習しないバカである。



案の定、翌日の授業は始終寝ていた。と言っても、寝そうになるだけで、寝てはいない。でも、寝なかったため、かなり眠いまま、授業を受けていた。そのため授業の内容は全然頭に入ってこなかった。


誠も結も心配していた。まあ、死ぬわけじゃないから大丈夫、とだけ答えておいた。


逆にそれが心配にさせたのか、保健室で寝ることを勧めてきた。大丈夫、と言ったが、聞き入ってもらえず、保健室に連れて行かれてしまった。


まだ、1限目が終わったところだし、授業を受けた後だから、言うほど眠くはなかった。


しかし、布団に入ると急に眠気が襲ってきて、僕はいつの間にか寝ていた。



目が覚めると、もう昼前になっていた。


寝すぎたと思うと同時に、眠気もなくなっていてよかったとも思った。


その後の授業は眠くなることもなく、集中して受けることができた。授業を聞けなかったのは残念だけど、自業自得だからと自分の言い聞かせていた。こんなことにはならないようにと、これから気をつけるように心がけた。



家に帰り、とりあえず日課のログインをした。


ゲームは、魔王討伐で忙しいのか、僕を特定することがまだできていないみたいだった。


なので、クロエさんのところへ行き、ポーションを売ることにした。ちょうど魔王討伐もあることだし、タイミング的にはいいはずだ。


在庫はまだあるが、いつも以上に持っていかれた。まあ、魔王討伐で必要だし、当たり前だ。


ちなみに売っているのは、回復量1%のポーションと回復量10%のハイポーションだ。


今作っているポーションを出すのはまだ早い、と感じたからだ。


売った後は、泊まっていた宿に戻り、ログアウトした。



22時過ぎ、今日最後のログインをして、ポーションの複製をして、ログアウトした。





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