第105話 準備 5

更に数日過ぎたが、作ることはできなかった。


それと、そろそろ魔王討伐の時期だ。少し前に告知もあった。


だが、今回は見逃そうと思っている。なんだか見られそうな気がするし、それに勧誘とかで、まともに戦えるかも微妙だからだ。


ということで、魔王討伐を他のプレイヤーに任せて、ポーション作りに没頭しようと思う。それに僕の場合、別に倒さなくても不利益になることはない。


他のプレイヤーに不利益が被っても、僕には関係ない。それに断っているんだから、勧誘をしなければ、僕も倒そうと思ったのに。ホントバカな連中だ。


って、まだ倒せないって決まったわけじゃないし、バカにするのは間違ってるか。


そんなことより、今はジジィの方が重要だ。ジジィの作るポーションは、すごいものばかりだ。ハイポーションなんか、回復量が50%を超えていたりする。どうすればそんなものができるのか、ホント謎だ。


ジジィもテキトーにおだてておけば、いろんな情報をポロポロと言ってくれるから、楽でいい。


大体の場合は、言った後に後悔してるけど、自業自得だ。でも、わざと言っているような感じもする。このへんは僕にはわからない。ジジィだけが知ることだから、わかる必要もない。


それと時間を見つけて、これからについて考えている。まず、考えなければならないのは、追われているこの状況だが、もうどうしようもないから、このまま追われ続けていればいいと思っている。


つまり、考えることを諦めたのだ。というか、もういろいろ試した。それでも状況が好転しないから、諦めざるしかなかったのだ。


だから違うことを今は考えている。それは、これからやり始める、誠と結についてどうやって教えるかだ。


僕のテレポートを見せるわけにはいかない。それにテレポートじゃ教えられることがない。


かと言って、まともに使える武器を使った突進なんか、テレポートと同じレベルで使えない。


つまり、実演をして教えることができないのだ。これはこれでいいんだろうけど、もし、戦うところが見たいなんて言われたら、どうしようもない。だから、少しは普通に戦っているところを見せられるようにしておきたいのだ。


もしかしたら、気にしすぎなのかもしれないが、テレポートがバレるよりも良いと思っている。


こんな感じでポーションを試行錯誤しながら作りつつ、どうバレずに教えるかを考えている。


まあ、どちらもいいアイデアはまだ見つかってないんだけどね。

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