第104話 準備 4

あの後、ログインすれば、どこから情報を得たのかわからないくらい追いかけられた。


どこから情報を得たのかホント不思議だ。僕はテレポートで移動してるから、そう簡単にはばれないはすなんだけど。


ほんと、意味がわからない。


そんな状態でもうゲーム内で数日は過ぎている。


そんなわけで、暴動が起こる前のような状態になっている。ほとんど休みなく、街を移動している。それでも、僕がログインしてない時には襲われないみたいで、それくらいの常識はあるらしい。


強硬派なら、誘拐でもしそうだけど、そういった人がいないのはちょっと意外だ。


まあ、それくらいの常識はあるってことか。それはいいことなのかはわからないけど。


「おぬしは、いつまでここにおるんじゃ!」


「今、喋ったのは、いろんなポーションの作り方を教えてくれたジジィだ」


「誰が、ジジィだ!それとその変な喋り方は何じゃ!」


「おっと、これは失礼しました、師匠」


「うむ、それでいいんじゃ」


と、おだてておけば扱いしやすいジジィなのだ。本当チョロい。


「おぬし、また変なことを考えていなかったか?」


「いえ、そんなことはありませんが?」


こんな感じにかなり鋭い。長年の勘とでも言うのだろうか。注意しておかないと、すぐ機嫌を損ねてしまい、教えてもらえなくなってしまうのだ。


今まではなんとかおだてることで、作り方を教えを引き出していたからな。作り方と言ってもヒントくらいなものだけど。


「それといつまでか、ですが、とりあえずこれが作り終わるまでは通いますよ?」


そう言って僕は、ジジィが作った回復量15%のポーションを指した。


だがこのポーションは、ハイポーションではないのだ。それでこの回復量は異常すぎる。だから、ここに来ているのだ。


なんとしても、これを手に入れなければならないからだ。これは、前回逃げてる時には知らなかったものだ。今回たまたま知ったので、こうして来ているのだ。


それにここは案外見つからないため、ファスムに行った時だけ、見つかっている。そのうえ、なんだかファスムで待ち伏せされているような感じがするのだ。


まあ、そんなわけでここの方が安全なのだ。


「はあ、おぬしも早く諦めんのか?」


「ならそれをくれるんなら、諦めますよ」


複製さえ出来れば、もうここに来る必要はなくなるからな。


「それはできん」


「なら、諦めませんから」


それに、まだ始めたばかりだから、可能性はある。それに2%までは作ることができたからな。なんとかなるだろう。


「はあ、勝手にしろ」


そう言うと、ジジィはどこかに行ってしまった。


僕はそのあともポーションを作り続けていた。


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