第102話 準備 2

その次にログインしたときは、まだ特定はされていなかったが、いつ特定されるかわからないから、ここからもすぐに移動できるようにはしておかないといけない。


それに昨日の今日だから、ファスムの街にもあまり行きたくない。でも早く行っておかないとまた今回みたいなことになりかねないから、行かないといけないし。


何より、クロエさんが怖い。いきなり約束を破ったような形になってしまったからだ。まあ、2、3日程度なら、問題ないと思う。だから明日には、ファスムの街に行かなければならないのだ。明日と言ってもリアルでは、午後の時間帯だから行きづらいというのはある。それに今日は平日だし。


そのため、今日のうちには特定されていて欲しかったというのもある。そうすれば、ファスムの街に行きやすくなるからな。


まあ、仕方ないから、今日はこの街で少し目立つように行動しようと思う。そうすれば、次にログインするときには、見つかっていると思うからだ。


目立つようにと言っても、クエストを受注して、クリアするだけだけど。今いる街は、比較的暴動が少なかったため、クエストも充実してるのだ。これは、事前に調べていたことだ。


と言ってもAランクまでしかないから、僕としては物足りないのだ。


クリアするのもそんなに時間がかからないから、あまり目立つこともできない。まあ、他にやることもないからやるけど。


この日は、1つだけクエストをクリアして、僕はログアウトした。




午後の時間帯になり、再びログインすると、まだ特定されていなかったらしく、外に出ても勧誘されることはなかった。


特定されなかったことはいいことなんだけど、それだとファスムに行けないから、これはこれで問題なのだ。でも特定されないとすることもないので、今度は大人しくポーションの複製していようと思う。


それにこの時間帯はあまり余裕がなかったから、特定されなかったことはよかった。


でも早くファスムには戻りたいから、早くしてほしいところではある。


そんなことを考えていても何も進展があるわけじゃないので、ポーション複製を早く終わらせて、ログアウトした。




次にログインしたときには、特定されているらしく、外から、視線を感じた。


今更だけど、泊まっているところまでは襲って来ないことを考えると少しは常識というものがあるらしいな。そんなことに関心していても今は関係ない。


それよりもようやく来てくれたことが嬉しいのだ。これでようやくファスムに行けるというものだ。これで少しだけ気持ちが楽になった。


だから僕は、テレポートですぐにファスムに行き、ギルドを目指した。



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