第89話 異常事態 2
ログインすると、ログアウトした体勢と関係なく、ベットに寝ている。だから、今日も起きないといけないと思っていたのだが、周りが騒がしいことに気づいた。
不信感を抱きつつ、目を開けてみると、部屋の中にはたくさんの人が入ってくるところだった。
「え?」
僕はこの光景に驚き、そんな声を出してしまった。でも、この異常な光景を見ながらも、僕は冷静にベットから起き上がり、逃げれるようにしておいた。
「ちっ、起きちまったか」
そんなことを言ってきたのは、60代くらいの男だった。
「えーと、これはいったい何のつもりでしょうか?」
「は?なんのつもりって、襲われるのがわからないという感じに聞こえるのだが、本当にそんなこと言ってるのか?」
「はい、僕には何をしたのか全然見当もつきません」
「ふざけるな!貴様ら冒険者のせいでワシらがどれだけ苦しんでいると思っているんだ!」
「いえ、そんなことを言われましても、何をしたのか言ってもらわないとわかりませんよ」
僕はそんなことを何の悪気もなく言った。
「貴様、挑発するのも大概にしろよ?」
「いえ、そんなつもりじゃ……」
「貴様らがポーションを買い占めてしまうからじゃ!」
あ、教えてくれるんですね。
「え?僕、ポーション買ったことありませんよ?」
「そ、そんなことは関係ない!そもそも貴様ら冒険者が自分のランク以上のクエストなんかをするからいけないんじゃ!自分の身の丈に合ったクエストをしてればいいんじゃ!」
ん?というかポーション買い占める?それの原因って、僕?
「まあ、確かにそれはありますね」
「そうだろ!だったら大人しく捕まれ!」
原因については知れたので、ここから逃げることにした。でも逃げる前に、宿のオーナーもいたので、お金だけは払って逃げる。ついでにチェックアウトする旨も伝えておく。
「いや、僕も捕まりたくはないので逃げますね。それと、オーナーさん、今日でチェックアウトってことでお願いします。残りのお代は、これでお願いします」
そう言い、僕はオーナーの方へ金貨を投げた。そして僕から注意が逸れた瞬間、僕はテレポートを使い、逃げた。行き先は街の外に設定してある。
街の外までテレポートで逃げてきた。街の方を見てみると、僕と同じように逃げてきている人を何人か見かけた。
それから僕は、原因について改めて思ったことがある。
「今回の騒動って、僕がポーションを売らなかったことにあるのでは?」
ということだ。ゲーム内では約30日間、ポーションを売っていない。3日に1度のペースで約10万本売っていたので、つまり、100万本いつもより少ないっていうことだ。
そりゃあ、足りなくもなりますわな。
僕に原因はあった。しかし、それ以上にプレイヤーが僕を追いかけるのも悪いと思う。つまり、僕は悪くない!ってことだ。
よし、自己弁護はこれで大丈夫だろう。それよりもとりあえず、クロエさんのところに行って、ポーションを売った方がいいですよね。
そう思い、僕はファスム近くにテレポートした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます