第88話 異常事態 1

そんなことでいろんな場所をまわってもう10日経とうとしていた。ゲーム内では30日くらいだ。


今日は6月15日だ。


16日からイベントが始まる、と10日告知があった。イベントの内容は当日に発表すると言っていたから、どんなことをやるのかはわからない。


だから、僕は内容を少し考えながらログインをした。




ログインすると思った通り、真っ白な空間に出た。


そして、いつもと同じ人が同じようにいた。


「やあ、プレイヤーの諸君、久しぶり。今日はイベントの内容を説明していこうと思——」


どんなことをするんだろ?でも簡単なことにしてほしいな。あるいは強敵を倒すだけとか、魔王みたいに。


僕はそんなことを考えていた。


「——っていたのだが、実は少しゲーム内で問題があり、イベントができる状態ではなくなってしまっている」


え?どういうこと?何があった?


「というのも、NPCに人工知能をのせているのだが、そのせいでちょっと問題が生じてしまった。今まではなんとかなっていた部分があったのだが、今回はそれもできなくなってしまった」


え?マジか、そんなことしてあったのか。


でも、なんで人工知能をのせていたんだ?


「人工知能は、動きをよりリアルにするために使っていたのだが、それが仇となってしまった」


おい!そこはちゃんとやっておけよ!


「まあ、過ぎてしまったことをどうこう言っても始まらないので、この話はこのあたりでやめて、本題に移ろうと思う」


ちゃんと責任を持てよ。でもそれにどんな問題があるんだ?全然想像がつかないんだが?


「それで今日1番大切なことなんだが、イベントを変更して、今回起こっている問題をプレイヤーの諸君に解決してもらいたい」


おい、運営。僕らに尻拭いをさせるなよ。自分たちでなんとかしろよ。


「そのため、参加するのは自由だ。別に参加しなくても問題はない」


あ、そうなんだ。なら、どうしようかな?


「でも、解決しなかったらそのままになるからそこのところは考えてほしい」


やっぱり、自分たちで解決する気はないのね。それなら、僕もやらないでおこうかな。


「それで、どんな問題があるのかだが、簡単に言うと、NPCが暴動を起こして、プレイヤーたちを襲っている状態だ。すでに何人かのプレイヤーはNPCを殺したりもしている」


え?襲われるの?なんでそんなことになってるん?


「それでこの暴動を止めてほしいのだ。それに止めないとクエストもまともにできない状態になっているから、解決はする方をオススメする」


クエストもできないのかよ。まあ、クエストを受注せずにやれば素材は集められるから、そこまで問題でもないんだけどね。


「ということでお知らせは以上で終わりだ。それでは暴動の解決を期待している」


そう言って、告知?は終わり、ようやくログインすることができた。




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