第87話 雲隠れ 2
あれからいろんな街を転々としているが、ゲーム内で1日以上滞在した日がない。
どこに行ってもすぐに見つかり、追われてしまう。逃げるのは簡単だけど、正直うんざりしてきている。しつこ過ぎ。
まあ、そのおかげでいろんなところを回れたからいいんだけど。
すぐに見つかってしまうため、誰かと話すこともできない。それにプレイヤーと話してしまえば、バレてしまう。それでも受け付けの人とは結構話すんだけどね。
そのおかげで知らなかった情報もいろいろ手に入った。
例えば、あるところではMPポーションの素材が手に入ると聞いて探しまわったけど、1日じゃ無理だったから何度も採りに戻ったりした。そのおかげでなんとか手に入れることができた。
他には属性耐性ポーションの素材なども手に入った。
でもこれらの素材ってファスムでも売ってるのを見たことがあるものばかりだったりする。なんというか損をした気分ではある。
まあ、タダで手に入ったと思えばいいか。
でもなあ、僕って逆にお金使いたいのに。全然減らなくて困っている。ある分には問題ないんだろうけど、使わないで余っているのはなんかもったいないと感じてしまうのだ。
行ったところも、雪国、火山地帯、砂漠、ジャングルなど様々だ。それに気温も感じるため、こう天候の変化が激しいと慣れるのが大変だ。でもほとんど滞在しないから慣れるとかないけど。
そう思うと、ここまで追いかけて来るやつ大変なんだなと思う。大変なら、諦めてほしいくらいだ。
そんなことを思ったところで現実にはならないけど。はぁ……。
でも逃げている途中、街はずれに一軒家を見つけたときがあった。これは本当にありがたかった。
普通なら通り過ぎるんだけど、家先に出ていた老人に捕まってしまい、家の中に連れ込まれてしまったのだ。
そこで、いろんなポーションの作り方を教えてもらえたのだ。そのおかげで属性耐性ポーションも作れるようになったんだし。
それくらいありがたかった。しかもある事実もしることができた。それは僕の作った割合回復のポーションだ。
その作り方は、MPをポーションに混ぜることらしい。MPを混ぜて作るのは、ポーションの効果を高めるためやることらしい。でも知っている人は少ないとのこと。
それにただMPを混ぜればいいわけではなく、最大限効果を発揮する量があるとのこと。だから多ければいいというわけではない。
作られてあるポーションにMPを混ぜることは難しいとも言っていた。
そうやって興味深い話を長い間聞いていたため、外の状況など考えもしなかった。
そしたら、外ではかなりの人が集まってした。出たらすぐにでも捕まりそうだったから、テレポートを使い、その場から逃げた。
と、そんなことがあった。
そして今日も今日とて逃げるため、ゲームにログインする。
ログインしなければ、いいと思うかもしれないが、そうしたら何故か宿の周りが囲まれているなんてこともしばしば。だから逃げるしかないのだ。
いい加減に諦めてほしい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます