第82話 魔王討伐 5

それから夜、22時30分に僕はログインした。


前回のことを活かして、早くログインしたのだ。それに何回か殺せばいいかもわからないしな。


この時ログインすると、挑戦者は50万人を超えていた。終了まで4時間半のときのことだ。


ログインするとまずは、ギルドに向かった。いつもの習慣でポーションを売ろうと思ったのだ。


しかし、ギルドは人で溢れかえっていた。というか、ギルドにすら入れなかった。ギルドに入りたかったので、後ろにいた人に原因があるか聞いてみた。


「あのー、すいません」


「ん?俺ですか?」


「はい、そうです」


「何か、用か?」


「ちょっと聞きたいことがあるんですがいいですか?」


「ああ、今なら、大丈夫だぞ」


許可をもらえたので、その男の人に聞いてみた。


「なんで今こんなに人がいるんですか?」


「ああ、それか。これから魔王に挑むからな、人が集まってきてるんだよ。それにここに売ってるポーションを買おうと思ってな。こんなに人がいるってわけだ」


「そうなんですか」


「お前もこれから魔王に挑むのか?」


「はい、その予定でしが、少し待とうと思います」


「そうか」


「ありがとうございました」


そう言って僕はその場から離れた。


さすがにあれだけの人がいたんじゃ、まともに中にすら入れないし、それにまだ4時間はあるわけだし、そんなに焦ることもない。


そう思い、僕は宿の方に帰っていった。



宿に帰ってきたが、することがないことに気づいた。MPは魔王戦に備えて使えない。そうなると、ポーションは作ることができない。つまり、暇になった。


さっきの集団よりも先に行けばいいと思うが、途中から乱入されると面倒なことになるから、したくないし。だからあの集団が終わった後、挑む方がいいと思うのだ。


(でもMPは300万あるから、少しくらいなら、使ってもいいかな?)


そう思い、暇つぶしのためにポーションを作ることを決めた。残り200万くらいになるまでなら、大丈夫だろうし。


そして、作り始めようと思ったとき、時間に遅れないかが心配になった。一応、正午が終了の目安だから、たぶん大丈夫だけど。


(よし、300個作ったら終わりにするか)



それから、ポーションを300個ほど作った後、ギルドに向かった。


ギルドには、もう人はほとんどいなかった。あの集団はもう行ったみたいで、これが最後の集団らしい。これ以上は無駄と判断した人が多いみたいだ。なんで、そんなことがわかるのかは、まだギルドに残っていた人がそんなことを話していたからだ。


それに、もう挑む人がいないのはありがたい情報だし。知れて良かった。


ギルドでは、クロエさんと少し話しをしたり、ポーションを売ったりして時間をつぶした。


いつも通りクロエさんは僕のことを心配していたが、不死の僕にはいらない心配だ。でも、不死ってことを言ったところで信じてもらえないから、絶対に言わない。


ある程度時間をつぶせた後、ギルドを出て魔王を探しに街を出た。







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