第79話 魔王討伐 2

それから、ファスムで過ごしていたが、全然クエストがなくて暇になってしまった。さすがは最初の街、高ランクには優しくない。


それなら、違う街に行けばいいと思うだろうが。まあ確かに、一度行ったところなら大丈夫なのだが、1ヶ所しかないし、クエストにも限界がある。それに人の多いところにはあまり行きたくないしな。


と言うわけで、何もすることが無く宿に引きこもっているのだ。まあ、ハイポーションは複製してるけど。


ハイポーションだけ複製してその日はログアウトした。



翌日、ログインするのも少し怠かったが、ログインするとあの真っ白な空間に出た。


「さあ、プレイヤー諸君!ついに月末が近づいてきました!そう魔王討伐だ!」


おお!ようやくか!今度こそ魔王を倒してやる!


「ということで、次のイベント、魔王討伐についての告知に来た」


待ってました!さあ、早く情報をプリーズ!


「と、言っても前回とほとんど概要は変わってないから、告知もなにもないんだけどね」


何だよ。何もないのかよ。ならなんでやるんだよ。


楽しみにしていたことだけに少しだけ不機嫌になった。


「今回は、イベントの日時と報酬についてだ」


なんだよ、期待したのに。まあ、同じイベントだし仕方ないのかな?


「まず日時だが、5月31日に変わったところから前回同様、ファスムの近くで出現する」


うーん、それはある程度わかっていたからな。だから、ファスムにいるんだし。


「次に討伐報酬だが、もう何人かは持っていると思うが、レベルの上限を解放するアイテムを全プレイヤーに配布する。既に持っている人もレベル解放ができるから、安心してくれ」


いらねー!僕の場合レベル1でも変わらないから!もっとこう実用性のあるものを。ってまあ、実用性はあるんだろうが、僕には関係ないからな。


とことん僕には厳しいゲームだな。まあ、キャラを作り変えればいいだけの話なんだけどね。ここまでくると変えるのも躊躇われる。


「それと魔王の強さを変える気はないから、頑張ってくれ。それでは今回はここまでだ」


そう言い終えると、ログインできるようになったので、ログインした。


最後の報告はありがたいな。正直勝てないくらいが丁度いいと思うし。まあ、他の人がどうとかは知らん。


それからはいつも通りではないハイポーションを複製して、クロエさんのところで売った後、ログアウトした。


最近同じことしかしてない気がする。たまには他のこともした方がいいんだろうが、何をすればいいのだろうか?


でもすることが思い浮かばないのだ。





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