第78話 魔王討伐 1
ハイポーションを作ることに成功した僕はそれを量産し、クロエさんに売りつけようとして、ギルドに向かっていた。
相変わらずギルドは空いていた。なので、僕の番がすぐに回ってきた。
「あ、零さん。いつもポーションありがとうございます」
「いえ、僕も儲かっているので、こちらこそありがとうございます」
「いきなりではありますが、行きますよ」
「え?今日はすぐに行ってもいいんですか?」
「ええ、こんな状態ですし、人もあまり来ませんから問題ありません」
「そうですか。わかりました。と、その前に1ついいですか?」
「はい?なんでしょうか?」
「これなんですけど、売れますか?」
そう言って僕はハイポーションと劣化ハイポーションを取り出した。
「ん?普段は見ない色をしてますね?これはなんなんですか?」
「これは、ハイポーションと——」
「えぇぇぇ!?こ、これ!ハイポーションなんですか?!」
「はい、そうですが」
「すぐ売ってください!というかすぐ売りましょう!」
なんというか、クロエさんのテンションがおかしいことになっている。
「クロエさん、落ち着いてください。そんなんじゃ迷惑をかけますから」
まあ、迷惑をかける人がそんなにいませんけど。
「あ、すいません。ハイポーションは今まであまり出回らなかったので、こうして見られることがなかったのでつい気持ちが高ぶってしまいました」
「そうですか。というかハイポーションってあまり出回ってないんですか?」
「はい、そうですね。まだ、作り方を確立した人が多くいませんので」
「なるほど」
「それでは改めて鑑定していきますね」
「よろしくお願いします」
鑑定した瞬間、またしてもクロエさんの表情が変わった。
「ぜ、零さん!」
「は、はい。どうしましたか?」
「これどうしたんですか?」
「どうしたって作っただけですけど?」
「それはそうでしたね。これってまだありますか?」
「はい、ありますよ。って言ってもポーションほどはありませんけど」
「そうですか。では買取を始めるので、ついてきてください」
そう言っていつも通りの部屋に行き、ハイポーションと劣化ハイポーションを5000本ずつ取り出した。
結果、750万ゴールドになった。値段は単純に10倍になっていた。だから、ハイポーションが1000ゴールド、劣化ハイポーションが500ゴールドだ。
かなり高額になってありがたい。これからはハイポーションだけでも複製してればいいかな?
ポーションを売ったあとは、ギルドから帰って、宿を探していた。そろそろ魔王討伐が始まると思うから、この街で宿を取っておきたいのだ。
前に泊まっていたところでいいと思い、その宿に向かったところ、やはり部屋には空室が目立っていた。けど潰れてなかったのでよかったよ。
とりあえず部屋を取り、入室したらログアウトをした。
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