第76話 ハイポーション作成 1

街の外に行き、スライムを見つけては核を奪っていった。


核はアイテムボックスの中なら再生することもないから大丈夫だと思う。


これもすごく苦痛かな、と最初は思っていたが、わりと楽しい。それにスライムに手を突っ込んでみたことがなかったからわからなかったが、スライムって気持ち良いんだな。


なんかずっと触っていたくなる感触なのだ。普通こんなことをする奴なんて狂っている奴くらいだしな。ということは僕は狂っているのか?


まあ、そんな自問自答は置いておいて、スライムから核を奪っていく。とりあえず、100個を目標に集めていく。ハイポーションがレア度1ならいいんだけど、2以上あると複製ができないからな。だから多くないとたくさん作れないかもしれない。


なので、機械的にスライムから核を奪っていっていたのだが、気づくと服の1部が溶けたように無くっていた。


そのことを不思議に思いながらも気にせず、スライムから核を奪っていった。



数十分で目標の100個を集めることができた。しかし、100個集める頃には服はほとんどなくなっていた。もう理由なんか、スライム以外考えられない。やっぱりスライムはムカつく。


まさか数多くのゲームにおいて最弱モンスターの筆頭として名高いスライムにここまで翻弄されるとは思ってなかった。


それから街の方に帰ってきた。でも街に入る前には服は着替えておいた。そうしないとなんか捕まりそうだし。


着ている服は、シーフとかレンジャーが着ているような軽い装備を着ている。防御については考えなくていいから、こんな服装になっている。あまりボロボロになったりしないから、装備は1着しか持ってなかった。今着ているのは初期に装備していたものだ。


別にオシャレとかに興味ないし、防具が高性能でなくてもいいからな。だから、初期装備でよかったんだけど、それだとクエスト受けるときいい顔をされなかったから、仕方なく買ったようなものだし。


それに、僕が突進して跡形もなくなったときとかは、直っていたから大丈夫だと思ってたけど、服だけがボロボロになると直らないんだな。


だからこれからは、予備をもう少し持っておこうと思った。


そのため、街では久しぶりに店を見て回っている。


その店を回っている途中、偶然モンスターの素材を売っている店でモンスターの核が売られているのを見つけた。


(あれ?もしかして、わざわざ外にでなくても買えた?)


その核の値段を見ると、10万ゴールドだった。


(ってことはスライムだと多分これ以下だと思うから、別に問題はなかったな。まあ本当に今更だけど)


そして、今更のことに気付いて、落ち込みながらも服を買って宿に帰って行った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る