第70話 ダンジョン攻略 6

そんなわけで、順調に5階のボスのところまで来た。どんなのがボスが気になる。


そんなかんしに期待しながら、ボス部屋に入ると僕のテンションは一気に下がった。


なぜなら、目の前に居たのは巨大なスライムだったからだ。もう、4階での出来事がフラッシュバックして、イライラしてきた。


それと同時に僕はこの鬱憤を晴らすチャンスだと思い、気持ちを切り替えた。そうしないとやばいことになりそうだったから。主にこの部屋が穴だらけになると言う意味で。


なんとか理性を保ちつつ、スライムに向き合った。


スライムも侵入者に気づいたらしく、臨戦態勢をとっている。


それにしてもデカイ。おそらく5メートルはあるのではないかと思われるくらいデカイ。なので核も結構大きかった。


今度こそと、狙いを定め、核に向かって鉄板をテレポートさせた。今回イベントは4階でのスライムと違い、核も大きいので当たると思っていた。


しかし、核にあたることはなかった。


またしても核にかわされたのだ。


ちょっとイラッといたが、なんとか耐え、鉄板を回収しようとしたが、完全にスライムの体に埋もれていて取り出すことができなかった。


このことには、さすがに僕も耐えることができなかった。


「きさまぁぁぁ!その鉄板を返しやがれぇ!」


そう言って自らスライムの体に突っ込んだ。


いやなんというか、スライムのこととなるとなぜここまで沸点が下がるのだろうか?ほんと不思議である。


そんなことより、スライムの体の中は、ジェル状なので、抵抗があり、進み辛いが、掴むことができるのでなんとか進むことができた。


しかし、息ができないので、だんだんと苦しくなってきた。


もしかして、僕の弱点って、息ができない状況?


そんな考察をしながらも進み、やっと鉄板を掴むことができたので、テレポートをしてもスライムから出てくることができた。


いやー、正直苦しかった。というか、死ぬかと思ったわ。


しばらく自分の呼吸を整えるために、落ち着いていた。その間、スライムはこちらにくることはなかった。


呼吸が整ったので、改めて今の状況を確認してみたら、あることに気づいた。


なんか体にヌメヌメしたものがついているのだ。それは言わずもがな、スライムの体の一部だ。


このことにある考えが浮かんだ。


もしかしてこれって、相手の体の一部もテレポートできる?


これは試さざるを得ないな。


そして、スライムに近づき、スライムの体に手を突っ込み、手の周りのものだけをテレポートするイメージでしてみた。するとスライム全体がテレポートしてしまった。


うーん、やっぱりダメか。


なのでまた近づき、手を突っ込み、今度は自分をテレポートしてみた。すると今度はスライムの体の一部を持ってくることができた。でもそれは微々たるものだった。


こっちもダメか。


ならと、今度もスライムに手を突っ込み、スライムを壁の中にテレポートをしてみた。しかし、壁の中には行かず、壁の近くにテレポートした。


これもダメか。


こんなことを試していると、段々とイライラしてきた。


「もう、面倒クセェ、風穴を開けてやる!」


そして、槍を取り出し、スライムに向かって突進した。スライムには確かに2メートル程の風穴は開いた。しかし、核を捉えることはできなかった。そのことにさらにイライラして、メチャクチャに突進して行った。


気づいたときには、スライムは消滅していた。


そして、次の階への階段がでていた。


僕はイライラしながら、次の階へ行った。

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