第69話 ダンジョン攻略 5

ダンジョンに入り、初のゴブリン以外のモンスターだ。そのことに少し心躍らせた。


そして、意気揚々とスライムを屠るために鉄板をテレポートさせようとしたが、あることに気づいた。


「スライムってどこを切り離せば死ぬんだ?」


そう、あの軟体生物、どこをどう攻撃すればいいかわからなかったのだ。おそらく、魔法とかの攻撃なら通るんだろうけど、僕はそんなことできないし。


待てよ、核とか攻撃すれば良いんじゃないか?


そうとわかれば、その核を探してみよう。探している間は攻撃に気をつけないとな。不死とはいえ、誰かに見られるのはまずいし。見られないとは限らないから。


そして探してみたが、核らしきものはわからなかった。しかし、色の違う部分を見つけることはできた。ので、そこに鉄板をテレポートさせてみようと思った。


「テレポート」


鉄板は物の見事に当た——らず、核にかわされてしまった。そう、核が動いたのだ。


「は?なんでかわせるん?」


テレポートをかわすとかありえない。だって考えてみて欲しい。一瞬で距離を縮められるものをかわすことができるだろうか?普通は無理だと思う。


それなのにあのスライムの核と思われる部分はかわしたのだ。ありえない。


僕はこのことにムキになって、テレポートさせまくった。


テレポートさせては回収っていうのを繰り返し行った。しかし、核らしきところにあたることはなかった。


「テレポート!テレポート!テレポート!テレポート!テレポート!」


すでにスライムの原型など留めていないほど飛び散っているが、一向に消える気配はない。つまり倒せていないということだ。


何度やっても倒せないことにイライラしてきた僕は、槍を取り出した。


「もう、この空間ごと吹き飛ばしてやらぁ!」


そう言うと僕は槍を構え、全速力でスライムにぶつかった。


目論見通り、スライムは吹っ飛び、倒せたが、速度を出しすぎて止まることができず、しばらく壁に突っ込み続けた。


そして、ようやく止まれたところで振り返ってみると、壁がだんだんと再生していた。


そのことに驚きながら、僕は、ダンジョンの外まで突っ込んだらどうなるんだろ?と考えていた。


それと次の階に行く階段の近くまで来れていた。


しかし、すぐには行かず、すこし探索してから行くことにした。壁を突っ切ったせいでまともに探索をしてなかったからな。だから、そのために探索をするのだ。決して、スライムにリベンジを考えているとか、そんなことはない。


それから、探索をしたが、スライムには会えなかった。それに、探索した成果はほぼないと言っていいくらいなものだった。


なので、時間もかからずに4階の探索が終わり、次の階段に向かって行った。次は、いよいよボスなので、がんばりたい。


そういえば、限定モンスターも出てないことにこの時気づいた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る