第54話 討伐イベント 10

ログアウトしてなんとか寝ることなく、23時40分まで起きていることができた。でもすごく眠い。


何故23時40分なのかは、ゲーム内でちょうど1時間になるからだ。ただそれだけの理由。


というわけでログインしたわけだ。こんな時間になってきたけど、死者は3日目とさほど変わりはない。


おそらく無理と判断して、挑戦しないと決めた人たちが多くいたんだと思う。


それにこの場所からなら、魔王がいるところまですぐに行けるから、時間を調整しようと思う。


ということでいつも通りクロエさんのところでポーションを売ろうと思う。


そう思い宿を出た。


でも宿を出たのはいいけどいつもの賑わいがなかった。というか人が全然外にいない。


なんでだ?と思ったが、そう言えばこの近くに魔王がいるからだと気付いた。


今まではプレイヤーがいたから、住人も外に出てたけど本格的にプレイヤーがいなくなってきて不安になったからだと思う。


ギルドに着いて中に入ってみたけど人が数人しかいなかった。


それでもやっぱりクロエさんはいた。


「あ、零さん!無事だったんですね!」


「無事だったって何かあったんですか?」


「何かって零さんが魔王に挑むって言うからじゃないですか!」


「ああ、それならまだ魔王に挑んでないからですよ」


「そうだったんですか——ってまだ挑んでないんですか?!」


「はい、これから行こうと思っていたので」


「そうなんですね。それではここには報告に来たんですか?」


何か明らかに落ち込んでいるけど、気にしなくてもいいか。


「いえ、いつも通りポーションを売りに来たんですよ」


「あ、そう言えば今日は初めてでしたね」


僕はいつもの量のポーションをクロエさんに売った。そして僕は魔王に挑むため、ギルドを出た。



僕は街を出て、フィールドにくり出した。


僕はそれから数分道で迷った後、ようやく魔王がいると思われるところに着いた。


今までそこには何もなかったはずなのに、巨大な城ができていた。


僕は城にビビりながら、入って行った。


城に入ると中はやたらといろんな装飾品が飾られていた。


僕はそのなかを進み、玉座のある部屋まで来た。


すると、玉座には魔王と思われる人影があった。背丈は180センチくらいだと思う。人とそこまで変わらない。


「また、人間か。そろそろうっとしいぞ」


そんな愚痴から始まった。


「そうだ、また人間なのだ」


「はあ、人間ってなんでこうも学習をしないのかな?あんだけ叩きのめしたんだからもう諦めろよ」


「ふっふっふっ、そう言っていられるのも今のうちだぞ!」


「はいはい、今までのやつらもそんなことを言ってたよ」


「だから、僕は今までのやつらとは違うんだよ!」


「その言葉も聞き飽きたよ。しかもお前みたいなヒョロいやつなんて初めてだぞ」


「そうやって見た目で判断すると痛い目に会うぞ?」


「お前はどう見ても弱い。はぁぁぁ」


魔王はそうやって深いため息を吐いた。


僕はそのことに切れて、すぐさま鉄板を出し、魔王の首を落とした。


「ざまぁみやがれってんだ」


そうやって僕は、魔王の死を確信して帰ろうと出口に向かって行った。


その途中で。


「ほう?確かにこれは予想外だな」


僕はその声を聞いて、振り返った。


すると、魔王の首は繋がっていた。


僕はその光景が信じられなかった。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る