第53話 討伐イベント 9
あれから、3日目も魔王は倒せずに終わっていた。
それから死んだ人数はすでに10,000人を超えていた。
それと、ネットの掲示板を見る限り、あんなのに勝てるわけないってコメントしか見当たらなかった。
どんだけ強く設定したんだよ運営は。
まあ、どんなに強くしようと僕の前では関係ないけど。
それで今日は4日目、つまり最終日になる。それに最終日でもう戦う人はほとんど残っていない。
だから僕は迷っている。
もう行ってすぐに倒してしまうのか、それとも計画通り時間ギリギリにするのか。
まあ、そのことを考えながら今日もいつもの日課であるポーション売りに行く。今ではかなりの収入源になっていますし。
ギルドに着いた。でも今日は朝早いから、並ばず、すぐにポーションを売ることができた。
すぐに売ることができてしまったが故に、暇になってしまった。
「あ、そう言えば、今日でしたね」
「ん?何がですか?」
「何って、零さんが魔王に挑む日ですよ」
「ああ、そうでしたね」
「だから、何度も言いますが、無茶だけはしないでくださいね」
「わかってますよ。それでクロエさん」
「はい、なんですか?」
「討伐クエストってありますか?」
「いえ、今クエスト自体ありません。まあ、こんな状態ですし」
「そ、そうなんですか?」
「はい、って言ってもここら辺だけなんで、他の町に行けば普通にクエストはあると思いますよ」
「そう、なんですか。ありがとうございます」
そう言って僕は、ギルドから出て、宿に向かった。
宿についてもすることはほとんどなく、ものすごく暇だった。
討伐クエストをやりに違う街に行こうにも、時間までに帰ってこられるかわからないし。
宿の中じゃできることは限られて来るし。
ログアウトをして時間を潰せばいいんだろうけど、僕の場合寝ちゃうかもしれないし。これからの時間は深夜になるし。
だからゲーム内で時間潰すのがいいんだけど、することがない。
ああ、マジで暇だ。
結局部屋の中で何もせずボーッとしてることにした。
でもボーッとしようとした時、あることに気付いた。
「あ、時間わからないじゃん」
そうなのだ、ゲーム内では時間がわからないことを思い出した。それならやっぱりログアウトした方がいいんだけど。寝ちゃうかもしれないからそれはできない。
何かいい方法は無いのだろうか?
いっそのこと早く行って討伐した方がいいかもな。
そんなことを考えていたが、最終的にはログアウトすることをした。
こちらで6時間過ごすのと、リアルで2時間は全然違うからな。
そう思い僕はログアウトした。
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