第51話 討伐イベント 7

鉄板を使って初めてモンスターを倒したけど、正直でかすぎて使い辛い。これなら小さいのも買っておけばよかった。


それならまた買いに行きますかね。まあ、明日の討伐イベントには間に合わないと思うけど。


それに小さいと倒せないこともあったと思うから、これでよかったと言えばよかった。


それから特に何も考えずにモンスターを討伐していたら、いつの間にかかなり数のモンスターを討伐していた。それで一応一通りのクエストはクリアできるだけ討伐はできていたので帰ることにした。


ギルドに帰ってきて、いつものようにクロエさんのところに行った。


「零さんもう終わったんですか?」


「はい、終わりましたよ」


「え?すべてのクエストですよ?」


「いえ、受けたクエストなら全部クリアしましたよ」


「嘘、こんな短時間ですべてクリアなんて無理なはず……」


「むぅ、疑うんなら見てくださいよ」


そう言ってそれぞれのモンスターの頭を出そうとしたら。


「ちょっと待ってください!」


そう言って止められてしまった。


「なんですか」


「いえ、疑っているわけではないので、ここでそういうものを出さないでください」


「わかりました」


「また違う部屋で鑑定しますのでそちらにお願いします」


そういうとまた待たされた。


しばらくしてクロエさんが先導して行った。


今度の部屋は前のところよりも広かった。


「前よりも広くなってませんか?」


「はい、今回はどんなモンスターかわかるので、そこから計算してこのくらいの部屋で大丈夫だと思ったので」


「なるほど」


「それでは始めますので、出してください」


「1種類ずつでいいですか?」


「はい、それでお願いします」


僕はとりあえず小さいモンスターから出していった。


それで出している途中ある疑問が出た。


「そういえば、こういった部屋を使っている人ってあまりいませんよね?」


「そうですね」


「そういう人達ってどうやって討伐系のクエストを達成してるんですか?」


「それは討伐証明をする部位があるのでそれを持ってきて貰えば、簡単に討伐の証明ができるんですよ」


「へぇ、それってどうやって知るんですか?」


「基本的にはギルドが教えることになっています」


「ってことはクロエさんが教えてくれるってことですか?」


「はい、そうですよ」


「じゃあ、なんで教えてくれないんですか?」


「それは……零さんが持ってくるモンスターがキレイな状態だからです」


「そうなんですか?」


「はい。普通の場合、討伐系のクエストだと倒すことだけが目的ですのでモンスターを倒した後は大部分が傷ついているので使い物にならないんですよ」


「なるほど」


「ですが、零さんの場合、かなりキレイな状態なんで素材としてはかなり優秀なんですね。ですので、あえて教えないようにしたんですよ」


「そうだったんですね」


「はい、それにここまでキレイに持ち帰るにはかなりのレベル差がないとできないので、普通は素材を集めるクエストはないんですよ」


「ああ、それでなかったんですね」


「はい、大抵の人は無理してクエストを受けるのでキレイな状態で持ち帰るのは不可能ですし、零さんみたいにアイテムボックスを持ってる人も少ないので。ですから零さんには素材を持ってきて欲しかったんですよ」


「そんな理由があるがあったんですね」


「はい、ですので少し報酬を上乗せしたりしてるんですよ」


「それはありがとうございます」


「いえ、お礼を言うのは私たちギルドの方ですよ」


そしてクロエさんは鑑定の方に戻ってしまった。


しばらくして、僕はまた疑問が出た。


「そう言えばクロエさん」


「はい、なんですか?」


「こんなに長く、受け付けから離れていいんですか?」


「ええ、問題はありませんよ。他の人に頼んであるので、大丈夫ですよ」


「そうなんですね」


それから、しばらくしてすべての鑑定が終わった。


「合計がこれになります」


そう言って紙を渡してきた。


そこには、3,250,000と書かれていた。


でもやっぱりドラゴンには到底追いつかないけど、それでもかなりの額にはなっていた。


僕は報酬を受け取ってそれから、宿に帰ってログアウトをした。



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