第45話 討伐イベント 1

ドラゴン討伐をした翌日、僕はギルドに来ていた。目的は報酬の受け取りだ。と言うことでさっそくクロエさんのところへ行った。


「零さん、あれから討伐には行ってませんよね?」


「はい、行ってませんよ」


「本当ですか?」


「本当です」


「なら、いいのですが」


「それで報酬の方はどうなりましたか?」


「はい、報酬はドラゴンの素材全ての買い取りでこちらになります」


そう言っていつもの紙を見せてくれた。


そこには、10,000,000ゴールドと書かれてたいた。


「こんなに貰えるのですか?」


「はい、本当はもっと多いのですが」


「え?なんで全額くれないんですか?」


「なんでって、零さんが違反をして討伐したんですから、その罰金です。本当に反省してるんですか?」


「うっ、してますよ」


「なら、この金額に文句を言わないでください」


「わかりました。でも本当はいくらなんですか?」


「本当なら1億ゴールドは超えていたと思いますよ。まあソロで討伐する人なんていないんで、普通全額もらえる人はいませんよ。全員で分けると思うので」


「なるほど」


「ですので、金額についてはそれほど問題ではないと思います」


「いや、それとこれとは——」


「別じゃありませんよ?規則を破っているんですから」


「うっ、すいません」


「いえ、別に怒っている訳じゃありませんよ?」


「それならいいのですが」


「そうですか。それなら、これが報酬です」


そう言って大白金貨を一枚渡してきた。


最初なんてこんなに稼げないと思っていたのに、ほんと何があるかわからないな。


「あの、これって危なくないですか?」


「ん?危ないとは?」


「こんな目立つようにこんな大金を渡しちゃって」


「あ」


なんとクロエさんはそのことを忘れていたみたいだった。


「あ、じゃないですよ。これで狙われたらどうするんですか?」


「まあ、零さんならなんとかなりますよ」


「なんとかなるって、クロエさんのせいですよ」


「うっ、それは……そんなこと言っている間にも帰った方が安全ですよ!」


「逸らさないでください」


「すいませんでした!怒っていたのでつい」


「ついって」


「それによく考えたら零さんが私を怒らせるようなことをするからじゃないですか!」


「そうやって人のせいにしないでください。それでもやったのはクロエさんでしょ?」


「そうですけど……そもそも零さんはなんでいつもみたいに言ってこないんですか」


クロエさんは最後にそんなことを小声で言ったので僕には聞こえなかった。


「まあ、襲われた時はなんとかしますよ。それでは帰りますね」


「はい、気を付けて帰ってください」


最後までクロエさんは申し訳なさそうにしていた。


でも帰り道は襲われることもなく宿まで帰って来ることができたので、いつもの日課をやってからログアウトをした。






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