第44話 ドラゴン討伐 7
僕はドラゴンをアイテムボックスにしまってギルドに来た。
このまま放置してもいいんだけど、まあ後々なんか言われるのも嫌だからやってしまいますか。
時間的には混んでいるときなので、待ってから、僕の番が回ってきた。
「あ、零さんじゃないですか。今度はどうしましたか?」
「その買い取って欲しいものがあって」
「はあ、まったく。やっぱり狩りに行っていたんじゃないですか」
「すいません」
「もう慣れましたよ。それなら、少し待っていてください。こちらの仕事がひと段落したら行きますので」
「わかりました」
その後、数分待ってクロエさんが来たので、後をついて行った。
「あの、クロエさん」
「はい、なんでしょう?」
「その今回は結構大きいので広めのところでお願いします」
「わかりました。まったく何を狩ってきたんですか?」
「それは見た方が早いと思います」
そしていつもモンスターの素材の買い取りをしてるところより少し広いところに来た。
「これくらいなら大丈夫ですか?」
「はい、たぶんいけると思います」
「そうですか。それならもう出してもいいですよ」
そんな指示があったのでドラゴンをそのまま出した。でもクロエさんを押しつぶさないように注意しながらだけど。
そして僕がドラゴンを出し始めるとクロエさんは口を開けたまま固まっていた。
全部出し切っても固まってままだったので、声をかけてみた。
「クロエさん?」
でも返事はなく、まだ固まったままだった。
なので僕はクロエさんにいたずらをしてみることに。
ドラゴンの頭を持ち上げ……持ち上げられないので、いたずらは断念した。
なのでクロエさんが復活するまで待つことにした。
それから数分後、ようやくクロエが復活したらしくこちらを見てきた。
「零さん!これどうしたんですか!」
「どうしたって討伐して来たんですよ」
「そんなこと見ればわかります!そうではなくてなんでこんな危険なことしたんですか!」
「いえ、討伐できると思いまして」
「だからそれが危ないってことがわからないんですか!」
「でも」
「でもじゃありません!それに今まではランク相応のクエストだったので大目に見てきたところがありますが、今回は見逃せません!このサイズのドラゴン討伐はSランク以上がないと受けられないんですよ!それなのに零さんはまだBランクです!これはギルドとして見過ごせません!」
「えーと、ってことは何か罰則とかってあるんですか?」
「罰則?そんなのあるわけないじゃないですか!あ!いえ、罰則はあります!」
「いや、言い直してますからね?」
「罰則はあるんです!」
こちらに顔を近づけて言ってきた。
「はい、わかりましたから!そんなに近づかないでください」
「あ、すいませんでした」
「そ、それで罰則って何をするんですか?」
「えーと、えーと、それは……そうです!しばらく活動の休止です」
今考えたにしてはそれっぽい罰則だった。
「それだけですか?」
「はい、あと休止明けにたぶんランクがAに上がると思いますので知っておいてください」
「そうなんですか?!」
「はい、ドラゴンのをしたんですから当然と言えば当然です。まあ、正直上げたくありませんけど」
「クロエさん本音が漏れてますよ」
「漏れているのではなく、漏らしているのです。それでは鑑定の方をさせていただきますね」
そう言ってクロエさんはドラゴンの方に行って調べ始めた。でも調べずにすぐ戻って来て言った。
「零さん、とりあえず今日のところは帰ってまた後日報酬を支払いますね。たぶんかなりの高額になると思いますし、時間もかかるので」
「そうですか。それなら帰りますね」
「はい。ですがもうこんなことはしないでくださいね!」
「わかってますよ」
僕はそう適当に返していた。
それで僕は高級宿に帰ってきてログアウトをした。
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