第42話 ドラゴン討伐 5

僕が目を覚ますと目の前にドラゴンの顔があった。


「ぎゃあぁぁぁ!」


そして僕は慌てて瞬歩を使い、その場から離脱した。


そして今回のことを振り返ってみた。


「あんなやつどうやって倒すんだよ!でももっと硬い槍があれば倒せるよな」


とそんな冷静な分析をしていたら、後ろから、ドラゴンの咆哮のような音が聞こえたので振り返るとドラゴンが追ってきていた。


「ぎゃあぁぁぁ!なんでドラゴンが追いかけてくるだよ!」


そして、瞬歩を使い逃げているがどんどんその差が縮まってきていた。このままでは追いつかれると思ったが、この時僕はひらめいた。


そうだ、テレポートを使って逃げればいいことを。何故忘れていたのか不思議だったけど、逃げるという行為をあまりしてないからだな。


僕は慌てて叫んだ。


「て、テレポート!」


すると一瞬で景色が変わり、いつもの見慣れた壁が見えてきた。


「はあ、よかった」


安心してその場に崩れ落ちてしまった。何か違和感を感じたが特に気にしなかった。


何故逃げるって、いくら死なないとは言え、さすがに死ぬ体験をするのは嫌だからな。


しばらく地面腰を下ろしていると、ようやく違和感に気付いた。


なんか座り辛いと思ったのだ。ただ立ってみてもわからなかった。ただ足を動かそうとしたが動かなくて、ようやく気付いた。


でもその事実を受け入れられなかったから、地面を確認してみて驚いた。


見てみると足が地面に埋まっていたのだ。しかもふくらはぎの辺まですっぽりとだ。


「ぎゃあぁぁぁ!僕の足がぁぁぁ!」


一瞬足がなくなったと思ったが、足が抜けなかったので足は付いていることが確認できた。しばらく足を抜こう努力したが抜けなかった。そして簡単なことに気付いた。


「そうじゃん、テレポートをすればいいじゃん」


その通りテレポート先を少し上空にしてテレポートをすると、ちゃんと足は地面から抜けていた。


「はあ、よかった。でもなんであんなことになっていたんだ?」


そんなことを考えながら僕がはまっていた穴を見てみた。するとキレイに僕の足の形に抉られていた。


いろいろ考えたが、こうなった原因は1つしかない。


その直前にやったテレポートが原因だと思うが、なんでこういうことになっているのかがわからなった。


まあテレポートの位置を間違えたんだと思う。が今まで間違えたことがなかったから少し信じられなかった。


それで再び抉られた跡を見たとき、ある考えが浮かんだ。


「これって攻撃に利用できないかな?」


つまり、何かをモンスターにテレポートさせてモンスターを抉るということだ。


もし、これが使えれば、簡単にモンスターの体を切断できるかもしれない。


まあ、できないと思うけど。試すだけ試してみますか。


とりあえず、その辺にある木を切断しようと考えた。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る