第34話 討伐クエスト 3

まあ、いろいろあったが、なんとか討伐クエストに行くことができるようになった。


いつものように街の外に出た。


討伐するレッドタートルのいる場所だが、北の森の中にある湖のほとりにいるらしい。依頼場所がそこになっているからそこに行けばいいと思う。


おそらくそこには行ったことがないから、瞬歩を使いながら進むことになると思う。


でも森の近くまではテレポートで一気に移動するけど。そうすれば、簡易地図はあるから目的地まで行けると思う。


森の前まで一気来たが、周りには誰もいなかったので、何も考えることなく森の中に入ることができる。僕の戦い方は誰かに見せていいものでもないからな。僕自身の考えだけど。


しばらく歩くと、ゴブリンが現れた。


だが、今の僕にはゴブリンごとき相手にもならない!


僕は槍をすぐに身をかがめて構え、ゴブリンに向かって突進した。


すると地面に槍が突き刺さって止まった。


ただ下半身の違和感に気付いた。不思議に思い、槍を持ったまま構えを見ると下半身がなくなっていた。


「え?え??え???」


あまりのありさまに現実逃避をしていたけど、状況を理解すると恐怖が湧いてきた。


「ぎゃあああああ!」


ちょっ、どうなってるの?!なんで下半身がなくなっているの?!


しばらく悲鳴を上げ続けていた。


が、気付くと何故か僕は地面に立っていた。下半身がなくなっているはずなのに。


僕は恐る恐る自分の下半身を見た。そして僕は再び驚いた。


さっきまで下半身がなかったのにいつの間にか下半身が元通りにあったのだ。


「まじでどうなっているの?」


そこで僕はあることに気付いた。


「そう言えば、僕って不死なんだっけ?不死ってこんなこともできるのか。ってそんなことよりもこの突進かなり危ないじゃないか!突進する度下半身がなくなるようじゃ危ないだろ!はっ、もしかして今まで気づかなかったけど、僕って何かにぶつかる度全身が木っ端微塵になっていたの?」


そう思うと急に寒気がした。今までやってきたことが怖くなったのだ。だって衝撃とかで気絶してたんじゃなくて、全身がなくなっていて気絶したと思うとやっぱり怖かった。


「でもこれしか攻撃方法がないし」


なにか対策が必要だな。そう思いながら槍を地面から引き抜いた。槍の方は何事もなかったように綺麗だった。


「やっぱり武器は丈夫なんだな。そうだよな、防御ステータスも0なんだから、体は柔らかいよな。それに力を加えたら、同じ力だけ加えた方にも加えられるってテレビで聞いたことあるし」


1人でぶつぶつと呟いたり、叫び出したり、周りから見たら完璧に変な人だけど、僕はそのことに気がつかなかった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る