第31話 武器購入 3

僕はすぐに家に帰ってきた。おそらく朝よりも夜の方がやっていると思ったからだ。それと今日は初日ということもあり、普段よりも少しだけ早く終わった。


だから、家についたのは4時ごろだった。


僕は慌てて部屋に行き、ログインをした。



ログインをすると外はまだ明るかった。って言ってもリアルでの時間から計算するとお昼の時間帯になるんだけどね。


僕はそのまま独房を出て、武器店の方に向かった。


武器店に着くと相変わらず人はおらず、カンカンという音だけが響いていた。


「すいません!」


カンカン。


何も返事は返ってこなかったけど、今回はこれで様子を見てみる。本当に聞こえているなら、出てくるだろうからな。まあ、出てこなかったら前みたいなくだりをしなければならないんだけどね。


でもしばらく待っていると、カンカンという音は止まった。奥から店主が出てきた。


「今回は、どう——って前のお客さんじゃないですか。もしかしてもう槍術のスキルを覚えたんですか?」


「はい、覚えたので、今度こそ槍を買いにきました」


「そんですか。それではどんな物がいいですか?」


「できれば、軽くて丈夫な槍が欲しいです」


「それなら、これかな?」


そう言って渡されたのは何の変わりもない槍だった。でも持ってみると確かに軽かった。でも木製の槍よりは重いかな?


「っと、そうでした。この槍返しますね」


「そうだったな。で、壊してはないよな?」


「ええ、傷はあるかもしれませんが大丈夫なはずですよ」


「確かに傷はあるようだけど、それだけだな。それなら、弁償はなしでいいな」


「はあ、よかった」


それだけが、心残りだったから何事もなくて本当によかった。


「それでこの槍の値段はいくらですか?」


「ああ、そうでしたね。えーと、10000ゴールドかな」


「わかりました」


僕はそう言って、僕は10000ゴールドを出した。すると、金貨1枚がでた。


「「え?」」


「なんでそう簡単に大金が出せるんですか!」


「いやー、最近いい収入源ができまして」


ってそうじゃなくて、なんで金貨が出てくるんだよ!僕金貨なんて貰ったことないよ!最大でも大銀貨しか貰ってないはずなのになんでだ?


「それでもですよ!あなたどう見ても駆け出しじゃないですか!」


「確かにそうですよ」


「そんな人がなんでこんなに稼いでいるんですか!」


「まあ、いろいろとあって」


「はあ、そうですか。詳しくは言えないんですね。まあ、払えるなら問題はないです」


代金を払い、槍を持ったまま僕は店を後にした。また僕は店を出ると槍をアイテムボックスの中にしまった。


僕は、独房に帰る途中、最近クロエさんに会ってないことを思い出した。


まあ、長い間ってわけじゃないからいいか。


僕は結局ギルドの方には寄らず、独房にログアウトをした。



ログアウトすると6時前だった。まだ結が来るまでは時間があるし、もう夕食の時間だな。


そのまま夕食を済まして、部屋で時間を潰していた。


そうすると本当に7時に結は来た。


部屋で2人っきりで勉強会をした。ただここまで酷いとは思わなかった。


まさかほとんど、課題が終わってないとは。


「本当おまえ休みの間何してたんだよ」


「何っていろいろだよ」


「そのいろいろやってた時間を勉強に回せよ。そうすれば普通終わるだろ」


「だってわかんないんだもん!」


「わからないなら、聞けって前から言ってるだろ」


「だって来るなって言うから」


「それは4月入ってからの話だろ!もっと前から来いよ!」


「うわーん、俊が怒った!」


「そりゃ怒りたくもなるよ!まあ、やってかないと終わらないから、さっさとやるぞ」


「うん。ありがと」


こういうのは反則だと思う。そんなに可愛くされると強く出れなくなるだろ。


その後0時まで2人で勉強をやり、3分の1まで終わらせ、そのまま僕の部屋で寝た。


翌朝、何事もなく起きた。特に何も起こらずそのまま2人で学校に行った。

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