第30話 学校にて 4
翌日、僕は学校でソワソワしていた。
もう、早く帰って武器を買い、モンスターを倒してみたくてしょうがなかったからだ。
学校では、案の定誠が課題が終わらないと言って泣きついてきたがそんなの一切無視だ。今はゲームの方が優先だ。
だから、学校が終わったら、すぐ帰れるように準備していた。
でも、帰るときにやはり誠に止められてしまった。
「待ってくれよ!俺を見捨てる気か!」
「ああ、そうだが?」
「この人でなし!」
「なんとでも言うがいいさ!そんなこと僕には関係ない。それに少しずつでもやっていれば終わる量だったからな。そんなのやらない方が悪い」
「うっ、でも結ちゃんの課題は手伝ったんだろ!」
「いや、手伝ってないけど?あっ」
「え?まじで手伝ってないの?それってやばいんじゃ」
「え、でも今回は何も言われてないから大丈夫かと」
こんなこと言うのもアレだけど、結はかなりの馬鹿だ。それなのにこの学校に入れたのはひとえに僕のおかげだったりする。
僕がみっちり受験勉強をさせ合格させたのだ。
でも馬鹿なのは変わらないから、毎回赤点ギリギリで課題をやらないとやばかったりする。ちなみ誠もそうだったりするが、まだ誠の方が余裕がある。
そして結だが、課題の問題がわからず僕に聞きにくることがほとんどだ。その結が今回は来なかったから、大丈夫だと思っていたが、今更思い出した。あいつまじめじゃないから、課題する気がないから、休み終わりに来ることがほとんどだったことを。
それで今回、僕はゲームをしたかったから、課題がわからなかったら、早く来るように言っていて、そしてもしギリギリに来てら教えてやらないと忠告していたのだ。
それに今日やけに絡んでこないなとは思っていたのだが、そういうことだったのか。
結の方を見てみるとなんかすごい哀愁が漂っているんだけど。でも今日は無理。そこは心を鬼にし——できるはずもなく、僕は結に声をかけた。これも惚れた弱みって言うのかな?
「結、大丈夫か?」
「大丈夫なわけないでしょ!俊がいじわるするから」
「いや、元はと言えば——ってそんなことしてる暇はないんだよ!とりあえず今日、夜の7時過ぎなら手伝ってやるよ!」
「え?本当?」
「本当だよ」
「まじか、なら俺もいいか?」
「お前はダメ、というかヤダ」
「ひどい!」
とか言いつつも、誠の場合結よりはひどくないから大丈夫なはずなんだけどな。だから無視してるんだし。
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